第五十話 綺麗な青年 ページ8
私たちはそのまま電車に乗り、蒼山一丁目駅に着いた。
ずっと不安そうな表情をしている杏をどうにか助けたい。
「うそっ、アイツ降りてきた」
蓮、杏、私、竜司の順番でエスカレーターに乗っていると、例のストーカーがすぐそこまで来ていると杏が言う。
「ヤバくない?」
「ふあぁぁ……」
竜司がこんな状況だと言うのに、大きくあくびをする。
「てか、もうちょっと心配してよ!」
「しょーがねーな……こいよ」
エスカレーターの右側を歩いていく竜司。
私たちは彼についていく。
「杏、大丈夫だからね。私たちが守るから」
「Aってたまにカッコいいよね。……あんがと」
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杏を一人、駅前に立っているように指示する。
ストーカーならきっとそんな無防備の状態の女の子を放っておくはずがない。
杏に近付いてくるストーカーを私たちが捕まえるのだ。
「……きたぞ」
一人の男が駅から出てきて案の定、杏に近付いていってる。
男が手を伸ばそうとした瞬間に横から私たちが現れて、杏を守る姿勢をとる。
前には蓮と竜司。
私は二人の後ろで『杏には近付けさせない!』と両手をのばして守ってる。
(杏を不安な思いにさせるなんて許さな……あれ?)
「なあ、まじでコイツ?お前のジーシキカジョーじゃね?」
自意識過剰……かはわからないけど、なんだか想像と違うな。
杏を付けてた人は綺麗な顔立ちの、私たちと同じくらいの年の少年だ。
確かにストーカーとかしなさそう……だけど。
「人は見た目によらないって言うし……」
「?君たち、何なんだ」
青年は何がわからないというような様子でそう言う。そんな彼に杏は怒って反論する。
「それはこっちのセリフ!ずっと付きまとってたくせに!」
「……付きまとった?心外だな」
「ずっと付けてたでしょ!電車の中から!」
「それは……」
彼が言い詰まったその時、車のクラクションが『プップー!』と聞こえてきた。
びっくりしてそっちを見るとそこには黒い車が一台。
窓が開くと、一人の老人が顔を出した。
「やれやれ。いきなり車を降りたと思ったら呆れるほどの情熱だな。結構結構……」
(私……この人をどこかで見た気がする)
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すみれ(プロフ) - テイル@パピコ同盟さん» わかってくれますか!すごく嬉しいです(^^) 音楽を聴きながら読むのはやっぱり楽しいですよね〜♪そしてお話、是非したいです!少し忙しい身なので返信は遅くなるかもしれませんが、それでもよかったら私のボードに来てください!作品の感想もありがとうございます! (2020年6月28日 15時) (レス) id: 28009c6402 (このIDを非表示/違反報告)
テイル@パピコ同盟(プロフ) - ペルソナ5sの曲を聴きながらこれを読んでいます!分かりますその楽しみ方!!いつか話せる時があったら話してみませんか?面白かったです! (2020年6月28日 11時) (レス) id: a6ac34b766 (このIDを非表示/違反報告)
すみれ(プロフ) - 皇妃葎さん» ありがとうございます!めっちゃ嬉しくて舞い上がってました!いい作品だなんて言われちゃってニヤついてしまいました笑評価もありがとうございます!更新めっちゃ頑張ります!これからもこの作品をよろしくお願いします♪ (2020年5月31日 13時) (レス) id: 28009c6402 (このIDを非表示/違反報告)
皇妃葎 - 続編おめでとうです!いい作品すぎて星を何回も押してる…。どうして一回しか押せないんですか!?更新頑張ってください!応援してます! (2020年5月31日 10時) (レス) id: c6aa45914a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:すみれ | 作成日時:2020年5月24日 18時