歪んだ世界であなたと自由を掴む2【ペルソナ5ロイヤル】

第四十六話　お菓子につられて ページ4

｢どうも。雨宮くんに坂本くん、高巻さんだよね。あと、え〜と……｣

｢秋瀬Aです！よろしくお願いします、先生！｣

｢ありがとう。こちらこそよろしくお願いします｣

丸喜先生はさっきみたいにマイクにはぶつからず、きちんとお辞儀をしてくれる。
私もつられて頭を下げる。

｢なんで名前知ってんすか？｣

あ、言われてみれば確かに。

｢鴨志田先生と、その……いろいろあった生徒の何人かは、前もって聞かされてもらってたから｣

……そういうことか。

｢雨宮君、転校早々大変だったね｣

｢そうでもない｣

｢強いんだね。でも無茶はダメだよ｣

確かに蓮は強い心を持ってる。
そんな彼に私たちが話している頼ることも多い。
それでも先生の言う通り、無理をさせたらダメだね。

先生の話はなんだか、ストンと心の中に収まっている気がする。

｢つか……俺らに何か用っスか？｣

｢ああ、そうだった。さっき集会でも言ったけど、君たちカウンセリングに興味あったりするかな？｣

｢別にねぇっスけど｣

｢え!?｣

竜司は即答する。
すると、丸喜先生は素でかなり驚く。

｢いや『え』、じゃなくて｣

｢思ったより直球で断られたからさ……。あ、でも今ならお菓子もあるよ｣

え、お菓子？

｢食べ放題……はちょっと無理だな。でも、そこそこ食べられるし、どう？｣

｢いいですね！｣

お菓子の食べ放題！
あ、食べ放題は無理なんだった。
でも先生に相談しながらお菓子を食べるってすごく贅沢！

｢ちょっ、Aバッチリつられないでよ｣

｢俺はそこまで子どもじゃない｣

蓮は先生にそう言う。
さすがリーダー、言葉に重みがある。

ん？今俺は(・・)って言わなかった？

｢はは……だよね。実は鴨志田先生の事で、関連性の強い生徒は必ずカウンセリングをするように言われてね。一応学校からの……気遣いなんだけど｣

｢気遣いねえ……｣

こういうのは無理にしても意味はないと思うけどな……。

先生も私と同じ思いらしく、｢せっかくなら何か君たちにもメリットが……｣と少し考えて

｢……そうだ！カウンセリングに来てくれたら、代わりにメンタルトレーニング教えるよ。テスト前の集中力の上げ方とか、デートのときに緊張しない方法とかさ。どうかな？｣

蓮はう〜んと何かを考えているようだ。
私は先生と話してみたいから行ってみようと思うけど……。

｢なあ、蓮どうする？｣

｢受けよう｣

｢本当かい？それじゃあ取引成立って感じかな｣

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