第五十四話 縦横無尽の作風のわけ ページ12
少し歩くとすぐにインタビューを受けている斑目先生を見つける。
穏やかな雰囲気のご老人という印象。
落ち着いた色の羽織を羽織っていて、世界で評価される日本画家さんにしては、少しだけ質素な気もする。
｢先生のイマジネーションにはいつも本当に驚かされます。全てを一人の人間が描きだしたとは思えない縦横無尽な作風……いったい何処からこれほどの着想が？｣
それ、わたしも気になる。
今日の予習がてら、斑目先生のことについて色々調べた。
何故か先生の悪い噂の内容もあったけれど、それよりも先生の日本画にすごい特徴があるというのに目が行った。
先生の縦横無尽な作風。
それも全世界で定評のある。
人物画や風景画などの色々な状況の絵を描きわけている先生の絵には私も心打たれた。
そして斑目先生のように私も色々な種類の音楽を作ることができないかって何度も考えた。
美術と音楽は遠いようで近いもの。
どちらも作者の思いがこもっていて、見ている人の心を震わせる力がある。
私も縦横無尽な音楽を作る為に、先生の意見を聞きたい。
｢そうですな……。言葉で伝えるのはなかなか難しいのですが……泉にひとつ、またひとつと泡が浮かぶように心の内から自然と湧き出てくるのですよ｣
｢自然と……ですか｣
｢重要なのはカネや名声などの俗世から離れることですな。私のアトリエは質素なあばら家ですが、美の探求には充分なのです｣
自然と、か。
そんなものなのかな。
沢山の人と関わったり、沢山の経験をすることが大事……とかを言ってくれると思ってたけど……。
｢あばら家？｣
竜司が腕を組んで考え込む。
確かに巨匠と言われてる人が『あばら家』に住んでるなんて想像できないよね。
｢なるほど……無心が内なる美を育ててくれる、と。それにしても巨匠斑目先生から『あばら家』なんて言葉が出るなんて｣
｢ご覧いただければわかりますよ。はははは……｣
と、その時。
｢斑目先生、来てるの!?｣
えっ。なんかものすごい足音がだんだんこっちに来てるような。
｢あそこ！｣
｢やっぱり初日、来てよかった！｣
ﾄﾞﾄﾞﾄﾞﾄﾞｯと大勢の人が押し寄せてきた。
私たちはその圧に潰されてしまう。
｢ちょ、押すなって！｣
｢わ、すいません。押し退けないで！｣
｢潰れる……｣
｢とりあえず、出口に……死ぬんじゃねえぞ！｣
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すみれ(プロフ) - テイル@パピコ同盟さん» わかってくれますか！すごく嬉しいです(^^) 音楽を聴きながら読むのはやっぱり楽しいですよね〜♪そしてお話、是非したいです！少し忙しい身なので返信は遅くなるかもしれませんが、それでもよかったら私のボードに来てください！作品の感想もありがとうございます！ (2020年6月28日 15時) (
レス) id: 28009c6402 (このIDを非表示/違反報告)
テイル@パピコ同盟(プロフ) - ペルソナ5sの曲を聴きながらこれを読んでいます！分かりますその楽しみ方！！いつか話せる時があったら話してみませんか？面白かったです！ (2020年6月28日 11時) (レス) id: a6ac34b766 (このIDを非表示/違反報告)
すみれ(プロフ) - 皇妃葎さん» ありがとうございます！めっちゃ嬉しくて舞い上がってました！いい作品だなんて言われちゃってニヤついてしまいました笑評価もありがとうございます！更新めっちゃ頑張ります！これからもこの作品をよろしくお願いします♪ (2020年5月31日 13時) (レス) id: 28009c6402 (このIDを非表示/違反報告)
皇妃葎 - 続編おめでとうです！いい作品すぎて星を何回も押してる…。どうして一回しか押せないんですか！？更新頑張ってください！応援してます！ (2020年5月31日 10時) (レス) id: c6aa45914a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：すみれ | 作成日時：2020年5月24日 18時
