第四十四話 怪チャンと私の曲 ページ2
5月9日 月曜日
私は放課後になるとすぐに三島君に声をかけた。話したことはなかったけど、蓮との約束の為に意を決する。
三島君は怪盗お願いチャンネルの管理人。
この前みんなと話した『怪盗お願いチャンネルに私の曲を載せる』
その為には管理人に話をつけるのが一番だ。
「三島君、ちょっとお話があるんだけど……」
「?どうしたの、秋瀬さん」
だけど私が怪盗団の一員というのはバラしたらいけない。だったら……!
「私、怪盗団の大ファンなの!三島君も怪盗団ファンって聞いて語りたくて!」
「ええっ!秋瀬さんも!?」
にこにこしながら私は頷く。
彼と普通に話すには怪盗団の話を交えた方がいいはず。
「そうなんだ。その話題なら俺、めちゃくちゃ話せるよ!」
「うん、いっぱい話したい!じゃあ、ここじゃなんだから場所移動しない?ファミレスとか」
「いいね!」
よし、いい調子だよ私。
このままあの話を持ち出せれば…!
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ファミレスにて
「でさ、俺にとって怪盗団はヒーローなわけで!」
「うんうん!本当にカッコいいよね!」
私はいつの間にか三島君の話に夢中になってしまって本来の目的を忘れていた。
「そういえば秋瀬さんに話したかな」
「ん、何を?」
「『怪盗お願いチャンネル』ってあるだろ?それ、俺が作ったんだ!」
(あ!)
この瞬間、やっと私は目的を思いだした。
忘れないうちに、と私は三島君に話を持ちかける。
「ねえ、三島君!お願いがあるんだけど」
何?と三島君は首をかしげる。
「私が作った曲を怪チャンに載せてもらえないかな!?」
「秋瀬さんが作った曲を……?」
「うん。私、あるゲーム会社のサウンドクリエイターさんのお手伝いとかさせてもらってて、自分で曲も作れるの。それで怪盗団をもっと盛り上げるイメージソングみたいなのを作りたくて!」
「イメージソング……!」
無言になって三島君は考え込む。
私は少し緊張しながら彼の回答を待つ。
「ど、どうかな?」
「うん!めっちゃいいと思う!」
「ホント!?」
「でもその代わりに……」
(代わりに?)
わざと言葉をためて、三島君はにこっと笑う。
「俺もその製作に手伝わせて欲しい!」
三島君が私の手伝いを?
確かに、彼の怪盗団への気持ちが本物なのはさっき話してよくわかった。
自分以外の意見もあったほうが絶対いいはず。
「うん!その条件のった!」
三島君との取引が成立した。
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すみれ(プロフ) - テイル@パピコ同盟さん» わかってくれますか!すごく嬉しいです(^^) 音楽を聴きながら読むのはやっぱり楽しいですよね〜♪そしてお話、是非したいです!少し忙しい身なので返信は遅くなるかもしれませんが、それでもよかったら私のボードに来てください!作品の感想もありがとうございます! (2020年6月28日 15時) (レス) id: 28009c6402 (このIDを非表示/違反報告)
テイル@パピコ同盟(プロフ) - ペルソナ5sの曲を聴きながらこれを読んでいます!分かりますその楽しみ方!!いつか話せる時があったら話してみませんか?面白かったです! (2020年6月28日 11時) (レス) id: a6ac34b766 (このIDを非表示/違反報告)
すみれ(プロフ) - 皇妃葎さん» ありがとうございます!めっちゃ嬉しくて舞い上がってました!いい作品だなんて言われちゃってニヤついてしまいました笑評価もありがとうございます!更新めっちゃ頑張ります!これからもこの作品をよろしくお願いします♪ (2020年5月31日 13時) (レス) id: 28009c6402 (このIDを非表示/違反報告)
皇妃葎 - 続編おめでとうです!いい作品すぎて星を何回も押してる…。どうして一回しか押せないんですか!?更新頑張ってください!応援してます! (2020年5月31日 10時) (レス) id: c6aa45914a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:すみれ | 作成日時:2020年5月24日 18時