第百八話 俺たちは信じる ページ25
質問の内容は『怪盗は実在すると思うか』というものだった。実在すると思う人は手元のスイッチを押す。Aたち怪盗団はもちろんスイッチを押した。
「4割くらい、かな。明智くん、どう?」
「意外と多いですね、ちょっと驚きました。みんなは、怪盗の行いについてどう思っているのかな」
女子アナは席を立ち上がって観客席に来る。そして立ち止まったのは蓮の前に来た時だった。
「それでは、こちらの学生さんに訊いてみましょうか。もし仮に、怪盗がいるとして……彼らのこと、どう思いますか」
「正義そのもの」
蓮の答えには迷いがなかった。さすがリーダーと言える、格好いい答えだ。
「言い切りますね」
「怪盗は法で裁かれるべきだ、と主張した明智くんとは反対の意見だね」
「ええ、ここまでハッキリと怪盗を肯定するのは興味深い。じゃあもう一つ質問。もし君の身近な人……例えば、君の隣に座ってる友達がある日突然、心を変えられたらどうする?怪盗の仕業とは考えない?」
「まったく考えないです」
だって俺たちは悪人の心しか変えない。俺たちは弱い立場の人を助けるために怪盗をしているのだから、そんなことをするはずがない。蓮はそう考える。
「なかなかいい意見だね。時間もあるし、もう一人くらい訊こうかな。……彼の後ろに座っている女の子、君はどう思う?」
蓮の後ろに座っている女の子……ってわたしだ!?
吾郎見ると「さあ、どう答える?」と興味津々な顔をしているから絶対わざとだ。
それでも訊かれたのだから答えないわけにはいかない。
「わたしは、怪盗は正義の存在だと考えます」
「前の席の彼と同じ意見だね。それはなぜ?」
さっき、吾郎が「怪盗団は法で裁かれるべき」と言ったとき、少しドキッとした。
それは彼の意見が正しいと思った故だと思う。
自分の怪盗としての行動は間違っているのかも、と一瞬だけ考えたがそんな考えは立ち所に消えた。だってわたしは怪盗団である以前に___。
「困っている人を見捨てないからです。わたしは彼らは存在していると思うし、彼らの『正義』を信じたいって思います」
わたしは怪盗団に助けられた張本人。彼らの行動がどれほどわたしのことを救ってくれたことか。吾郎が、周りの人が、怪盗団をどんな風に思っていてもわたしは絶対、
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すみれ(プロフ) - テイル@パピコ同盟さん» コメントありがとう〜〜!こちらこそ返信遅くてごめんね。更新頑張ります!これからもよろしくね! (2020年7月11日 16時) (レス) id: 28009c6402 (このIDを非表示/違反報告)
テイル@パピコ同盟(プロフ) - 続編おめでとう!最近話せてなくてごめん!頑張ってね!これからも応援するよ! (2020年7月11日 6時) (レス) id: f918ed1ff0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:すみれ | 作成日時:2020年7月10日 21時