第百一話 二度目の改心成功 ページ18
清掃活動から数日後に急遽、斑目が緊急謝罪会見を開いた。
「私は、画家としてあるまじき罪を犯しました。世に言う……その、『盗作』を、私は…。我が国の、美術界にも……そして、『サユリ』に、も……。皆様にどうお詫びを申し上げ、申し上げたらいいか……」
その後、斑目は泣き崩れた。なんの事情もわからない人からすれば不愉快な映像なのかもしれない。しかし、Aは斑目が罪を認め、謝罪したことを。そして斑目の芸術に対する想いを取り戻せたことを心から喜んでいた。
「見た見たぁ?斑目のニュース!鴨志田ん時とおなじだ!」
「怪盗のこともちゃんと言われてた!」
「この力、マジで見返すどころか、世の中大騒ぎになんじゃね?」
「『二度目』ってのもデカイぜ。こんな偶然、フツーねえからな」
「みんな怪盗団のことを頼ってくれるかも!」
「うんうん!続けていけば、みんなに勇気与えれるかもだし」
アジトで怪盗団は改心成功を喜び合う。
しかしかなり盛り上がっていたせいか、近くに補導員が来た。
「君たち、ちょっといいかな?」
「はぁ〜い、何かご用でしょうか!?」
「何してるの?どういう友達?」
なんで貴方たちに言わなきゃいけないの、と思ったがそこは蓮が答えてくれた。
「みんなでお茶でもと……」
「ふうん、本当か?こんな所でお茶もないだろうが」
「そんなことないですよ。渋谷はたくさんお店ありますし」
「まあ、今日はいいけどね。あまり遅くならないうちに解散しなさいね。変な事件も多いし、例の画家のニュースで騒がしいしね」
「気をつけまぁすっ!」
補導員は去っていった。
声を掛けられていい気分にはならなかったが、相手も仕事なので仕方ないかと考える。しかし、日曜日の真昼間から補導員は彷徨くものなのだろうか。勝手に夜に徘徊しているものだろうと思っていたが……。
「今まで以上に警戒した方がいいぜ。第二の怪盗騒ぎが巻き起こっている最中に、前回と今回の被害者が会ってる訳だしな」
「そっか。会話とかも注意しないとだね」
人ごみの中だがいつ誰が聞いているかもわからない。あまり人前で怪盗団としての会話は控えた方がいいのかもしれない。
「ところでさ、祐介。斑目からなんか聞けた?怪しい奴がどうのって言ってたじゃん?」
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すみれ(プロフ) - テイル@パピコ同盟さん» コメントありがとう〜〜!こちらこそ返信遅くてごめんね。更新頑張ります!これからもよろしくね! (2020年7月11日 16時) (レス) id: 28009c6402 (このIDを非表示/違反報告)
テイル@パピコ同盟(プロフ) - 続編おめでとう!最近話せてなくてごめん!頑張ってね!これからも応援するよ! (2020年7月11日 6時) (レス) id: f918ed1ff0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:すみれ | 作成日時:2020年7月10日 21時