涙、きみを濡らす【クラピカ】

33.覚悟 ページ33

飛行船に足を踏み入れる。

そこにはパクノダと子供2人、男女と、

「......クラピカ」





あんなに会いたいと願っていたのに、

あんなに一緒になりたいと、想っていたのに




あなたと私は結ばれることなんてできない


私の家族同然のクモは、クラピカの仇。






飛行船が空に浮かび、地面が少し揺れる






「...ずいぶん、落ち着いてるね」


そういって飛行船にのって初めてクラピカの顔を見た


顔色が良くない。きっとここ最近寝ていなかったんだろう。




初めて見るクラピカの緋色の瞳はとても綺麗だった。
前にクルタ族の話をしたことを思い出す。






「クモとの、関わりを聞いてきたよね」


思い出しならがクラピカに話す。
彼の表情が変わることはない。







「私がクモと繋がってるって、気付いたからだよね」






クラピカの目を、見れない。

それは後ろめたさからなのかは分からない。






けど...私は見ないといけない。




クラピカを、この現実を。





ク「クモが競売品を盗むと占いにでたのはAと会った数日後だった」


ク「仕事を考えれば不自然ではなかったが、何か引っかかるとは思っていた」



「...私、ずっと信用されてなかったんだね」



クラピカは続ける

ク「最後の日の前日、Aにクモとの関わりを聞いただろう。その時、この鎖で調べさせてもらった」


そういうクラピカの手にはジャラッと鎖があった



ふと、あの日のクラピカの両手を握る姿に違和感を覚えた意味がわかった



「あの日、鎖は消してたってことか...」


ク「反応がなければ私の正体を明かし、協力してもらおうと思った、しかし...」




言わなくても分かる。
きっと鎖が反応して揺れたのだろう





「そっか、ごめんね。ずっと隠してて」


「私ね、クモじゃないの。けど、みんなとは家族みたいに育って、クラピカもクモも大切なんだ」





クラピカのことを好きになってしまった

もちろんクラピカはすごくすごく大切な人


だけど、それと同じ、それ以上にクモのみんなのことも大好きで...







「私は結局どちらとも選ぶことはできなかった」







でも、だから、中途半端なことなんてしない。









「クラピカの素顔が見たい、なんて。こんな形じゃなければよかったのに」





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