＃47 ページ49
わたしは驚いて、鍵のかかったはずのドアに目を向けた。
「慧くん………｣
慧くん。私が助けを求めてたひと。私のヒーロー。
高く上げた足の横から、酷く怒りに満ちた顔が覗く。
光を背景に、開け放たれてくドアは、
私にはゆっくり、スローモーションで開いていくように見えた。
それは反対側に当たって、巨人の足踏みのような音を立てる。
男「誰だ、お前。｣
男の人はズカズカと慧くんに駆け寄る。
深瀬「あの子の彼氏だけど。｣
「糞みたいな男に捕まっちゃったみたいで｣と苦笑いして、
ポリポリと首の後ろを掻く。
男「なんだと………ｯ！｣
ふざけんじゃねぇと怒号を飛ばす男の人は、
慧くんに拳を投げる。
「慧くん……！｣
私は、慧くんに駆け寄る
だけど、慧くんはスッと避けて、
逆に、自分の拳で相手の顔を殴った。
「うっ………貴様……｣
顔を押さえている手にも血が伝っている。
でも、慧くんはへっちゃらな顔をして手首をブンブン振っていた。
深瀬「どうする？まだ、やる？｣
変装のメガネの向こうで、目を細める。
男の人は、口から出る血を拭ってまた慧くんに
襲いかかった。
でも慧くんは、脚や腕を上手く避けて、反撃に入る。
やがて、相手がうずくまった時に、慧くんは近くに行って腰をかがめた。
深瀬「もうこんなことすんじゃねぇよ。このクズが。｣
最後に立ち上がった男の人を、長い脚で蹴る。
遠くに吹っ飛んでいくのも、見たことのない冷たい怒った瞳で追っていく。
「(わたしのこと、心配してくれたのかな…)｣
相手が伸びたのを確認すると私のもとに走ってくる。
深瀬「ごめん。守れなくて。側にいてやれなくて、ごめん。｣
バッと音がしそうなほど、頭を下げて、ごめん。ごめんって
そんなに言われちゃ私、泣いちゃいそうだよ
「ううん……大丈夫だから。私も急に離れたりして、ごめんなさい｣
私も頭を下げる。
だけど、あまりにも近かったから、お互いの頭にｺﾞﾁﾝｯ
「あっ、ああごめんっ｣
頭をさすって苦笑いする綺麗な顔。白い頬
私のために、飛んできてくれたその真っ直ぐな心。
深瀬慧くん。その全てに、もっともっと引き込まれちゃいそうだよ。
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楓(プロフ) - ちひろさん» ありがとうございます！更新頑張りますっ。 (2016年7月30日 9時) (
レス) id: e627bbaad4 (このIDを非表示/違反報告)
ちひろ - すごく面白いです！！更新、楽しみに待ってます！ (2016年7月29日 19時) (レス) id: 35f5aef485 (このIDを非表示/違反報告)
楓(プロフ) - れもんらぶさん» ありがとうございます！いえいえ、今文章力家出中なんですよ……ﾊﾊ。それでもそういってもらえると嬉しいですよ！更新頑張ります！！ (2016年7月20日 18時) (レス) id: e627bbaad4 (このIDを非表示/違反報告)
れもんらぶ(プロフ) - いつも読ませてもらっています。すごく面白いです！私も星空さんのイベントに参加してて、そこで初めてこの作品を見つけたのですが、文章力がすごすぎです!!分けて欲しいくらいです、、更新頑張ってください!!! (2016年7月20日 17時) (レス) id: 543648c430 (このIDを非表示/違反報告)
楓(プロフ) - すずさん» こんにちは！ありがとうございます。私は、やる気が出ても結局文才とか気にして諦めてしまうんですけど…そう言ってもらえると嬉しいです!! (2016年6月28日 15時) (レス) id: e627bbaad4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：楓 | 作者ホームページ：http://commu.nosv.org/bbs/32b1b27fac8b85690cc77bb582d58c1
作成日時：2016年3月11日 18時
