隣 の 君 に 幸 あ れ 【SEKAINOOWARI】

＃20 ページ20

えっと……。



寝ぼけているのかな？



なかじん「はじめまして。
どう？Aちゃん、楽器得意なんでしょ？

このまま家に帰れそうもないみたいだし……｣



だからか。心の中に残っていた疑問がひとつ解けた。



「わたし、足引っ張ってばかりで、
ドジで、楽譜とかすぐ間違えて、
自分がいけないくせに間違えたらすぐ泣くし、
いいところないし、ゴミとして出されてもだれにも気づかなそうな人間なんだけど…





やれるもんなら、やってみたいな｣



その途端、私より早く起きて、私の顔色を伺っていた、4人の顔が

ぱぁっと明るくなった。



彩織「やったぁ。なんの楽器やりたい｣




なんでもいいんだけどなぁ。


「なんでも｣





深瀬「じゃあ、全部。｣



ええええ。出来るのかなぁ。


「ええっ
｣

彩織「できるやつでいいから｣



よかった。
「でもLOVEの仕事少なくなっちゃう。｣


なかじん「えっとねぇ。


ちょうど今のタイミングにDJ台をリニューアルして、


ボカロにも力入れるつもりだからその機能も入れて、


いろいろな機能を取り入れるから、大丈夫だよ。｣



そうなんだ。


LOVEの仕事が無くなったら、可哀想でためらっていたけどそう聞かされ安心する。



なかじん「じゃあ、今日スタッフと事務所開いてるから行こうか。｣



今日から、私の新しい人生が始まる。


過去の自分なんて、捨てるんだ。



芸能人なんてなれると思っていなかったけど、なれるんだ。


そう思って、小鳥のさえずる声と、朝日を浴びた。

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