隣 の 君 に 幸 あ れ 【SEKAINOOWARI】

＃26 ページ27

どうしよう……。



ここまでパニックになったことはなかった。

もういいや。適当に話してしまおう。



スタジオの、登り階段の前でスタッフが立ち止まった。


ここを登って椅子まで行くようだ。


後ろを振り向くと舞台裏がこうなってるんだ、と思うほど機材がある。



まだ時間が少しあるようだ。
いまは、なかじんたちにインタビューをしている。


スタッフ「頑張ってくださいね。

ええっと………貴方にだけコツを教えます。｣


さっきの、気が合わないスタッフさんが口を挟んだ。


スタッフ「まず…慌てないことです。
ただ、友達と話しているだけだと思ってください。

次に、話して1番印象がいいことは
しっかりと新メンバーとして、したい事、挑戦したいことをはっきり話してください。
それだけで視聴者の感想が変わります。


最後に…本当に困った時は、
手を握ってみてください。
それだけで勇気が出ますし、これは、芸能人の合図なんです。SOSの。
司会者やスタッフがが気がついてくれるとフォローしてくれます。


ゆっくりと落ち着いて頑張ってください。
応援してます。｣


凛とした声でゆっくりとそう話した。

「ありがとうこざいます。頑張ってきます。｣


そして、

司会「それでは、新メンバーの登場です！
23歳の音大卒業、林Aさんです!!｣


スタッフさんに背中を押されて階段を1段ずつ上がった。


お辞儀をしながら、落ち着いて駆け上がっていった。

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