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ななもりside
目の前で悔しそうに喋るさとみくんに俺は相槌を打っていた。
さとみ「俺、ほんとにどうしたらいいのか分かんなくって…」
さとみくんだけじゃない。
ジェルくんにそんなことを言ったのは俺もなのに。
ジェルくん本人に振り払われた。拒絶されたさとみくんは俺よりも深い傷を負ったんだ。
ななもり「さとみくん、俺が行ってくる」
さとみ「でも…!」
ななもり「逃げてたらダメだと思う。それに、ジェルくんも拒絶したくてしてるわけじゃないと思うか、ね」
ジェルくんも分かってないのかもしれない。
自分がやってしまったことも、
拒絶に及んでしまった理由も
なら、俺たちから歩み寄らないとダメなんだよ。
俺はジェルくんのことを刺激しないように、コンコンと軽くノックして、そっと扉を開けた。
ジェルくんは熱のせいか、さっきの事のせいか、ぼーっと天井を見ている。
ななもり「ジェルくん?」
優しく、優しく。
笑いかけながら、そっと近づくと
ジェルくんの目は怯えの色で染っていた。
さとみくんの話で覚悟してたけど、真近で見ると結構クルな。
自分がしたことの後悔も今してる暇はないと区切りをつけて、ジェルくんにゆっくり話しかけた。
ななもり「ジェルくんは、俺達のこと、怖い?」
ジェルくんはフルフルと首を横に振ってるけど、俺が少し動けばビクッとして怯えてるし、手をグーに握りしめて胸の前で小さくクロスしているのも無自覚なのかもしれない。
体調を崩して、無理して頑張ったのに、信用してた俺達がジェルくんを追い詰めてしまった。
それが、無意識の拒絶に繋がるなんて…。
ななもり「ジェルくん、俺の手、握れる?」
俺たちから触れないなら、触ってもらうしかない。
ジェルくんの目の前に手を広げて尋ねると、渋々と手を伸ばしてきた。
けど、もう少しで触れると思った途端に、ピタッと動きが止まって、手を引っ込めてしまった。
こればかりは時間と気持ちの問題か…。
体調が悪い時にこんなことしてても悪化するだけだよね。
いまだに赤い頬を見て、看病してからだとケジメをつけて、俺はジェルくんに寝転んでもらって、寝るように頼んだ。
疲れていたのかすぐに眠ったジェルくんに、体温計を挟んで、熱さまシートを貼って、ペットボトルにストローを刺して、ジェルくんが起きるまでジェルくんの部屋にいた。
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箱推し - 辛い時には頼ることが大切ですね!感動しました 頑張って下さい (2023年2月27日 16時) (レス) @page34 id: f8804c49d8 (このIDを非表示/違反報告)
モコ - 助け合いが大事なんだなと思いました (2021年3月11日 0時) (レス) id: 0a8d4352b2 (このIDを非表示/違反報告)
。ねむた(プロフ) - 橙くんの多いの橙推しからしたら最高ですグフフフフッッッ…////(())もうだいぶ前から拝見させて頂いてますッッ何回も見返してますッッッッッッ。好きですッッッッ(()) (2020年9月24日 7時) (レス) id: 38610edbd5 (このIDを非表示/違反報告)
コロン - スランプ大変ですよね…無理せず自分のペースで頑張って下さい! ずっと応援してます (2020年8月6日 11時) (レス) id: 8f18360a6e (このIDを非表示/違反報告)
暁紫(プロフ) - りーくんさん» ありがとうございます!!早く復活できるよう頑張ります!! (2020年3月5日 11時) (レス) id: 00f0e4e8d6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:暁紫 | 作成日時:2020年1月27日 23時