24 . 終焉へと向かう音 ページ25
その日は唐突に訪れた。
その日、いつもはバイオレンスな黒糖が珍しく大人しく飛来してきた。
どこも壊されなかったし怪我をしなかったのを安堵したのもつかの間、頭を殴られたような衝撃にAは見舞われた。
「緊急招集ーッ!緊急招集ーッ!産屋敷邸襲撃!産屋敷邸襲撃ィ!」
Aは目を見開いた。
そして急いで立ち上がり、鬼の肉を最大まで詰め込み薙刀を持って家を飛び出た。
____襲撃?だれが?上弦が?
御館様に襲いかかる危険も確かに恐れていたが、それ以上に気になったのはなにが襲撃してきたのか、ということであった。
家屋の瓦を蹴り、塀を蹴り、木々を蹴って進み、館が見えたとこで館が爆発した。
Aは絶句した。
産屋敷邸には天音様も子供たちもいる。
それ諸共か。鬼の仕業か。情け容赦ない。
Aは走るのをやめず、鬼の肉を2切れ食べ、さらに加速した。
めらめらと燃え上がる火炎の中、ようやっと何かが見え、どこからか実弥の声がした。
「てめぇかァアア!!御館様にィイ何しやがったァア!!!」
「御館様ァ!」
「御館様!」
蜜璃と伊黒の声だ。柱が集まってきている。
____あれは……悲鳴嶼さんと……誰?
童磨ではないことは明らかだった。
刃に貫かれた男の胸に、着物の女が目から血を流しながら手を突き刺している。
悲鳴嶼が叫んだ。
「無惨だ!鬼舞辻無惨だ!奴は頸を斬っても死なない!」
____無惨?!
あいつが元凶か。
ならば殺さなくてはならない!
Aは薙刀を構え、地面を蹴り前方に跳んだ。
____雨の呼吸 陸ノ型____
無惨の前に着地し、刃を振りかざそうとした瞬間、足元が無くなった。
下を見た。底の見えない空間がそこにある。
____いや、死ぬ!
Aは体をひねって壁に薙刀を突き刺した。
薙刀を軸にぐるりと一回転、そのまま壁に着地し、薙刀を引き抜きながら向こうの壁へ向かい、蹴り、向かいを繰り返してジグザグに動きながら下に向かっていった。
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みく(プロフ) - すごく素敵なお話でした!! 童磨くん素敵すぎます (2019年8月3日 14時) (レス) id: dac858329b (このIDを非表示/違反報告)
さく(プロフ) - まほろさん» お読みいただきありがとうございます!そして嬉しいお言葉ありがとうございます。削除の件ですが、撤回しようと思います。貴重なお言葉ありがとうございました(●´▽`●) (2019年7月28日 20時) (レス) id: fe3c191e62 (このIDを非表示/違反報告)
まほろ(プロフ) - 作品楽しく読ませていただきました。そして勝手ながら消してしまうのはもったいなとも思ってしまいます…いち読者の勝手なお願いではありますが、どうにか残していただくことはできないのでしょうか? (2019年7月28日 18時) (レス) id: 83522f25c5 (このIDを非表示/違反報告)
さく(プロフ) - りなさん» お読みいただきありがとうございます!そう言って頂けて、書き手として冥利に尽きます。ありがとうございます! (2019年7月27日 1時) (レス) id: fe3c191e62 (このIDを非表示/違反報告)
りな - めちゃくちゃ良かったです!!続きが楽しみです!応援してます!! (2019年7月26日 23時) (レス) id: 55c1958e88 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:さく | 作成日時:2019年7月23日 21時