23 . 一太刀浴びせろ ページ24
ローキックを跳んで回避し、左右から突き入れられた木刀をしゃがんで避け、背中に迫る気配を察し、地面に手を付き勢いをつけて前宙した。
「跳んだぞ！」
「着地点に行け！」
てんやわんやと群がる隊士たちを見、Aは薙刀を構えた。
隊士と隊士の間に木刀部分を突き刺し、怯んだ2人の後ろに行った。
薙刀から手を離して着地、振り落とされた木刀を拳でのけ、トン、と地面から足を離した。
空中で回転蹴りをして3人の隊士の木刀を蹴り飛ばす。
着地してすぐに地に伏せ、Aを切らんと襲いかかってきていた2人の隊士は目標を見失い、しかし足と振り下ろしていた刀を止めることが出来ず、片方が片方に木刀で殴られる形になってしまった。
「そこまで！」
審判の隊士は大きな声でそう叫んで、立ち上がりかけていた隊士たちを制止した。
○○
「お前もうちょい早く人よこせやァ」
1時間の休憩時間に入ったAが気晴らしに不死川邸をたずねると、実弥も丁度休憩時間だったようで、おはぎをもぐもぐ食んでいた。
やってきたAを見て実弥は部屋の中に消え、Aがどうしたんだろうと思っているとAのぶんのおはぎと抹茶を持ってきた。
度々思うのだが、実弥は口調がかなり荒い割にすべき所では敬語を使うし、わりと気遣いができる。
Aはもらったおはぎを咀嚼し飲み込んでから答えた。
「いや、しっかりした状態で実弥さんとこ送らなきゃ。殺されちゃう」
「いやその前にお前に殺されんだろォ」
「そこは大丈夫です！怪我したらすぐに手当してますし、助言も反省会もしています」
「……」
「ていうか実弥さんのほうが酷いでしょう、稽古」
「いやおあいこだろ」
実弥はおはぎを食べ終え、抹茶を飲み、「あ」と言って懐を探り始めた。
そうして取り出したものをAに投げて寄こした。
「わっ、なに」
受け止めたのは小さな瓢箪の入れ物だった。
疑問に思い蓋を開けようとするAを実弥は制止する。
「やべえって時に開けろォ」
「……なんです、中身？」
「そんときに分かる」
「まあ分かる日が来ねえのが一番いいがなァ」と言って実弥は立ち上がり、稽古に戻っていった。
Aの手元には、小さいひょうたんの入れ物だけが残ったのだった。
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みく(プロフ) - すごく素敵なお話でした！！ 童磨くん素敵すぎます (2019年8月3日 14時) (
レス) id: dac858329b (このIDを非表示/違反報告)
さく(プロフ) - まほろさん» お読みいただきありがとうございます！そして嬉しいお言葉ありがとうございます。削除の件ですが、撤回しようと思います。貴重なお言葉ありがとうございました(●´▽`●) (2019年7月28日 20時) (レス) id: fe3c191e62 (このIDを非表示/違反報告)
まほろ(プロフ) - 作品楽しく読ませていただきました。そして勝手ながら消してしまうのはもったいなとも思ってしまいます…いち読者の勝手なお願いではありますが、どうにか残していただくことはできないのでしょうか？ (2019年7月28日 18時) (レス) id: 83522f25c5 (このIDを非表示/違反報告)
さく(プロフ) - りなさん» お読みいただきありがとうございます！そう言って頂けて、書き手として冥利に尽きます。ありがとうございます！ (2019年7月27日 1時) (レス) id: fe3c191e62 (このIDを非表示/違反報告)
りな - めちゃくちゃ良かったです!!続きが楽しみです！応援してます!! (2019年7月26日 23時) (レス) id: 55c1958e88 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：さく | 作成日時：2019年7月23日 21時
