21 . 朝日に散りゆく ページ22
____まずい!
Aは鬼の禰豆子と、おそらく鬼の____たぶん、Aと似た体質の____玄弥の襟首を掴んだ。
しかし禰豆子はそれをものすごい力で振り払い、体が焼け始めたのも厭わず炭治郎の方に走って術を繰り出した。
「禰豆子!!」
Aと炭治郎の声が重なった。
しかしAは焼け始めた顔の痛みに顔を歪ませ、玄弥もまたかすかに焼け始めているのに気が付き、Aは地面を強く蹴って崖下を目指した。
目指す崖下が目の前に迫って来、Aは玄弥を抱え込んだまま転がり込み、2、3度地面を転がって岩肌に背中を強打した。
苦痛の声を上げるまもなく涙が溢れ、Aは玄弥を抱え込んだまま嗚咽した。
____振り払うことが出来ないほどもっと強く掴んでいれば。そもそも首を切った時に殺したと勘違いしていなければ!
反省する度に涙が溢れ出、これ以上ないほどに赤面している玄弥に気づかないまま更に玄弥を強く抱き締める。
「……あ」
少しして、そう短く言ったのは玄弥だった。
心なしか震えていたその声は、なにか気づいた様子であった。
「炭治郎、鬼倒した」
「で、でも、禰豆子が」
「いや……立ってます」
「へ?!」
驚き、玄弥から体を離し立ち上がった。
____本当に立っている!生きている!
喜びのあまり駆け出した。
ひなたに出ても肌が焼けない。
鬼の成分がなくなったらしい。
Aは禰豆子に飛びついて、頭を撫でて抱きついた。
「ごめんねぇ、禰豆子ごめんねえ!」
「だ だいじょうぶ」
「エエッ、禰豆子喋ってるう!」
「あ、Aさん」
「無一郎くんーっ!傷だらけだあ、うわぁぁん」
「みんなーっ!!」
蜜璃が勢いよく走ってこちらに向かってきた。
そのままの勢いで抱きついてきた蜜璃は「勝ったあ!」「生きてるよお」「よかったあ」と泣き喚いており、禰豆子は「よかったねぇ」とニコニコ相槌を打っていた。
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みく(プロフ) - すごく素敵なお話でした!! 童磨くん素敵すぎます (2019年8月3日 14時) (レス) id: dac858329b (このIDを非表示/違反報告)
さく(プロフ) - まほろさん» お読みいただきありがとうございます!そして嬉しいお言葉ありがとうございます。削除の件ですが、撤回しようと思います。貴重なお言葉ありがとうございました(●´▽`●) (2019年7月28日 20時) (レス) id: fe3c191e62 (このIDを非表示/違反報告)
まほろ(プロフ) - 作品楽しく読ませていただきました。そして勝手ながら消してしまうのはもったいなとも思ってしまいます…いち読者の勝手なお願いではありますが、どうにか残していただくことはできないのでしょうか? (2019年7月28日 18時) (レス) id: 83522f25c5 (このIDを非表示/違反報告)
さく(プロフ) - りなさん» お読みいただきありがとうございます!そう言って頂けて、書き手として冥利に尽きます。ありがとうございます! (2019年7月27日 1時) (レス) id: fe3c191e62 (このIDを非表示/違反報告)
りな - めちゃくちゃ良かったです!!続きが楽しみです!応援してます!! (2019年7月26日 23時) (レス) id: 55c1958e88 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:さく | 作成日時:2019年7月23日 21時