20 . 終わりと ページ21
Aはへたりこんだ。
あの入れ物の中身のもの____鬼の肉の効果が切れかかっているというのに、未だに体の底からパワーが溢れ出ている。
恋の力は恐ろしい。
Aは鬼の肉を食べれば食べるほどパワーアップするという特異体質を持っている。
ただし、永続的なものではなく、時間が経てば元に戻るし、仮に大怪我をした場合、回復にパワーを使うため持続時間が大幅に減少する。
そのため、Aには鬼の肉が必要だった。
したがって今現在、地下牢に捕らえた鬼を閉じ込め、定期的に肉を取っているというわけなのである。
「五月雨さん!まだです!」
炭治郎の叫び声でAは我に返った。
首を切ったはずの鬼が走って逃げている。
混乱しながらも駆け出したAに炭治郎は叫んだ。
「本体は心臓にいます!」
「え?!わっ、わかった!」
崖下に逃げた鬼を追いかけるため、Aは炭治郎と玄弥を抱えて崖下に飛び下りた。
禰豆子もそれに続き飛び降りる。
着地の際に足が折れたがすぐに再生し、炭治郎は鬼に向かって刀を投げた。
刀は鬼の体を貫き、しかし鬼はまだ走っている。
心臓から僅かに逸れていたらしい。
玄弥が投石した。
ビュン、という音を出して石は飛んでゆき、石は鬼の足に直撃し、鬼が僅かに傾いた。
玄弥が体当たりをして鬼を完全に転ばせ、Aは薙刀を振りかざそうとしたところで禰豆子が血鬼術を使おうとしているのが見えて後退した。
あの日はおそらく鬼を燃やす炎だ。
効果が切れかかっているとはいえ、まだ鬼の部分が残っているAは巻き込まれる。
玄弥は大丈夫だろう、と踏んでいたAは思わず「えっ」と漏らした。
玄弥が少し燃えている。
「使え!」
驚きは崖上の方からした声によってかき消された。
玄弥を押しのけ逃げようとする鬼の足を切り払い、声の方を向くと首を絞められている傷だらけの無一郎がいた。
3人いる柱のうちの1人は無一郎だったらしい。
無一郎の首を絞めている人もまた傷だらけであったが、「返せ」「殺すぞ」「クソガキ」と怒り狂いながら無一郎に暴力をふるっていた。
かなり元気だ。刀鍛冶だろうか。
無一郎は刀を投げたらしい。
研磨途中の刀だったのだろうか。
炭治郎は刀を振りかざした。
Aと禰豆子と玄弥もそれに続こうとし、朝日に目が眩んだ。
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みく(プロフ) - すごく素敵なお話でした!! 童磨くん素敵すぎます (2019年8月3日 14時) (レス) id: dac858329b (このIDを非表示/違反報告)
さく(プロフ) - まほろさん» お読みいただきありがとうございます!そして嬉しいお言葉ありがとうございます。削除の件ですが、撤回しようと思います。貴重なお言葉ありがとうございました(●´▽`●) (2019年7月28日 20時) (レス) id: fe3c191e62 (このIDを非表示/違反報告)
まほろ(プロフ) - 作品楽しく読ませていただきました。そして勝手ながら消してしまうのはもったいなとも思ってしまいます…いち読者の勝手なお願いではありますが、どうにか残していただくことはできないのでしょうか? (2019年7月28日 18時) (レス) id: 83522f25c5 (このIDを非表示/違反報告)
さく(プロフ) - りなさん» お読みいただきありがとうございます!そう言って頂けて、書き手として冥利に尽きます。ありがとうございます! (2019年7月27日 1時) (レス) id: fe3c191e62 (このIDを非表示/違反報告)
りな - めちゃくちゃ良かったです!!続きが楽しみです!応援してます!! (2019年7月26日 23時) (レス) id: 55c1958e88 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:さく | 作成日時:2019年7月23日 21時