水槽に迷い込んだ貴女Ⅱ【Fischer's】【短編集】 (ページ6)

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『恥ずかしがり屋』シルク×恋人ページ6

シルクside

『シルク、明日も電話していい？』

シ「おう」

電話の向こうで、ふふ、と笑うのは、付き合って2ヶ月の彼女。可愛らしくてふわふわしてて、もうめちゃ好き。

シ「明日は俺からかけるよ」

『ほんと？嬉しい』

俺たちはお互いの仕事が多くて会う時間が少ない。だから電話して声を聞くようにしてる。

『じゃあまた明日ね。おやすみなさい』

シ「おう、おやすみ」

Aはすごく優しい。気が利くし何事にも一生懸命だ。けどすごく恥ずかしがり屋で、俺が手を繋ごうとするだけで恥ずかしがるからこっちまでそうなる。

シ「明日は会いに行ってやるかなw」

急に行ったらびっくりするだろうな、なんて無意識にニヤつきながら、俺はパソコンを開いて編集を始めた。

•*¨*•.¸¸☆*･ﾟ

翌日。現在の時刻は夜9時半。俺はAの家の前にいた。今日はメンバーの都合が合わなくて夜は撮影ができないから、編集やって会いに来た。

“今日何時頃なら電話かけても平気？”

今日の昼休み、俺は彼女にLINEでそう尋ねた。すぐに既読がついて返信が来た。

『9時半頃なら家にいると思う！』

シ「じゃあその時間に電話かける」

その時まだ会いに行くことは伝えず、ただ電話をかけるとだけ伝えた。

驚いたAの顔が想像できて、思わず口角が上がる。

シ「押すぞ…！」

インターホンに指を当てて力を込める。ピーンポーン、という音から数秒後、「はーい！」という彼女の明るい声が聞こえてきた。

シ「あ、俺。シルクだけど。……来ちゃった」

『……へ？待って待って、シルクいるの？すぐ開ける！』

焦ってる焦ってるw 中からドタドタ足音が聞こえてくるしw

ｶﾞﾁｬｯ

『…ほんとにシルクがいる…。だって、電話するって』

シ「電話だけじゃ足りないからさw 会いに来た」

『もう…！言ってくれればミルクティー用意しといたのに……入って！』

彼女についていって部屋に案内してもらった。白を基調とした整頓されているとても綺麗な部屋。ほのかに花のような甘い香りがする。

『ごめん、レモンティーしかなかった…』

シ「俺レモンティーも好きだよ？w 全然いいってw」

ソファーに座る俺にカップを差し出す彼女。少しシュンとしてて可愛い。

そして控えめに俺の隣に腰かけた。やべぇ可愛い。

シ「ごめんな、急に来られても困ったよなw」

『い、いや、全然…!!むしろ嬉しかったし……』

シ「なぁ？」

『ん？』

シ「好き」