水槽に迷い込んだ貴女Ⅱ【Fischer's】【短編集】 (ページ38)

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『秋の甘えた日和』ぺけたん×恋人ページ38

Aside

＿＿＿秋。

読書の秋。まぁメンバーみんなONE PIECEやスラムダンクなどの漫画をよく読んでるな。

スポーツの秋。確かに、フィッシャーズといえばアスレチックみたいなイメージがついていて、みんな体を動かすことが好きだ。

食欲の秋。ンダホやモトキ中心に、大食い企画や激辛企画をやってる。

芸術の秋。彼らは絵を描くと言うよりも音楽活動だろうか。先日ニューアルバムも発売され、どこかのデイリーランキングにはTOP10に入っていた気がする。

『……これはどの秋なの？』

ぺ「難しいなぁ〜。強いて言うなら甘えたさんな秋？」

『強いて言えてませんのだけど』

私の膝に頭を乗せて寝転がるぺけ。小さく何かの曲を口遊んでいる。

『今日のぺけは甘えたさんなの？』

ぺ「甘えたさん！」

お酒に酔っているのかと思うほどの普段よりも甘い声。全ての行動に力がなく柔らかいような、完全に甘えたい気分のぺけだ。

『甘えたさんは困りものですねぇ』

ぺ「どーでもいい、俺は甘えたいの」

ちゅーしよーよ、そう言って聞かない。1回だけと制限付きで私がOKすると、すぐに触れる唇。

ぺ「ふふー、Aとちゅーするの好き」

『ん、私も好きだよ』

ぺ「A温かいからぎゅってするのも好き」

最近は気温がぐっと下がりかなり肌寒いが、冷え性な彼を暖めるのもまぁ悪くない。

ぺ「俺もAの事温めてあげる！」

『ぺけ冷え性だから無理じゃない？w』

ぺ「無理じゃないし！」

『…負けず嫌い発動した？』

ぺ「した！」

トンと背中が床に着いたと思えば眼前にはぺけの顔と天井。床ドンされたのだとすぐに気づく。

ぺ「こーしちゃえば温まるどころか熱くなるよ」

『……じゃあ私の事温めて？』

ぺ「しょうがないなぁ…？」

私たちは深く口付け、熱く交わった。

•*¨*•.¸¸☆*･ﾟ

ぺ「温まったでしょ？」

『ん、てか腰痛い』

ぺ「でも幸せだった」

『そりゃ私もだよ』

ぺ「俺たち今日は甘々だね」

『たまにはいいよね』

服を着てふと窓の外を見ると、木の葉が秋風に吹かれて揺れていた。

『もう秋だね』

ぺ「俺秋好きだよ」

『なんで？』

ぺ「忙しい夏を乗りきって少し落ち着くじゃん、そしたら存分にAとイチャつけるもん」

私はいつでもイチャついていいのだけど、なんて忙しい彼には言いづらい。でも私がそう思ってるのを彼は知ってくれているから、時々こうして構ってくれる。

ぺ「A、すき」

そう微笑んで彼はまた私にキスを落とした。