水槽に迷い込んだ貴女Ⅱ【Fischer's】【短編集】 (ページ13)

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『夏の甘えた日和』マサイ×恋人ページ13

Aside

『暑いー…』

真夏。

毎年YouTuberで“夏といえば”と聞かれたら必ず上位に入るフィッシャーズ。

今年もみんなは大忙し。シルクは編集を一日に5本も仕上げるという凄技を成し遂げ、ンダホはモトキと一緒に企画の買い出しやら準備をしてる。

ぺけは別の仕事が、ダーマは普通に仕事が、ザカオはダンスの練習がと各々やることをやってる。

『だというのに君はなぜ私にくっついたままなのかね、マサイ君？』

マ「やだ」

いや、今の質問に対する答え方絶対「やだ」じゃないよね!?可愛いけど!!

『マサイはシルクの編集手伝ったりしなくていいの？』

マ「今日はシルクに休み貰って“Aに甘えていい日”って言われてんの。ねーシルク」

シ「おうw てかお前Aに甘えてる時そんな声出すのなw 俺達といる時にそんな声聞いたことねぇよw」

私は今座ったままマサイに後ろから抱きしめられてる。暑いというのによくやるもんだよ。嬉しいけど。

マ「お前“可愛いけど”とか“嬉しいけど”とか一言付け加えてるやつだけ全部だだ漏れだぞw」

「へっ!?嘘っ!?恥ずかし……!!」

マ「そんなとこも可愛くて大好きだけどな〜」

マサイは抱きしめる力を強めて私の身体を左右にぶんぶん揺らす。

マ「Aって耳たぶやーらかいよね。ぷにぷにしててちっちゃくて可愛い」

『ん、っ』

私は彼に耳たぶを摘まれて、ぷにぷにされる。私は耳が弱いから、それを知ってる彼は楽しそうだ。

マ「ふふ、可愛いなw 耳弱いもんね、A」

私はそう耳元で囁かれて肩を跳ねさせ、マサイにかぷりと耳たぶを咥えられる。

『んっ…！まさい、やだ…』

マ「んふふw ね、A、ちゅーしよ」

『ちゅ、ちゅー!?』

いやいや、ありえないでしょみんなの前で！

マ「Aは俺とちゅーすんの嫌なの？」

『ん…、みんなの前ではやだよ……？』

マ「いいじゃん、しよ、ちゅー」

私の体の向きを変えさせ、向かい合う形で座るマサイ。

『……1回だけ、だからね』

ちゅ、と一瞬だけ唇が重なり、離れた時に見た彼の表情はどこか満足気だった。

マ「ね、もっかい！もっかいだけしよ！ね？」

『い、いやだー！もうみんなの前ではしません！』

そう言っても彼の手が腰に回ってて身動きが取れない。顔近い…、あーまたキスしちゃう……！

シ「おいこらー！見せられてる俺らの気持ちにもなれー！」

マ「邪魔すんなー！」

シ･ン･モ(……てかAって耳弱いんだ……)

マ「やらせねーよ!?」