水槽に迷い込んだ貴女Ⅱ【Fischer's】【短編集】 (ページ11)

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『制御装置』ダーマ×恋人ページ11

Aside

ダ「勝手に眼鏡取んないでくんね？」

以前、彼にそう怒られたことがある。

でもやるなと言われたらやりたくなってしまうのが人間ってもんよね。

『……起きませんよーに…』

ソファーで眠るダーマにそっと近づく。

眼鏡を取るついでに寝顔も拝んでやろうと顔を覗き込むと、可愛い顔して寝てる。

そのままそー……っと眼鏡に手をかけて外す。

『眼鏡かけててもかけてなくてもカッコいいんだからズルいよなぁ…』

優しく頬を撫でれば、彼は少しだけ顔をしかめた。

『このままキスしちゃってもバレないかも…』

私は好奇心が働いてダーマの頬にキスを落とす。

その頬に手を添えると、彼はうっすらと目を開けた。

ダ「……何してんの」

『あ……いや、その……』

ダ「つーか眼鏡取んなって言ったよな？」

『ご、ごめん…つい。でもなんでダメなの？』

ダ「は？モトキから聞いてねぇの？」

ん？モトキ？あ……。思い出した……。

モ「A、ダーマから伝言だよ」

『ん、なーに？』

モ「なんかね、俺の眼鏡はお前を襲わないようにするための制御装置だから絶対に取るな……とか何とかw」

『えーwなにそれーw』

『わ、忘れてたぁ……！』

ダ「……自業自得だからな」

『え……ちょっ！いたっ……』

ソファーに寝転がっていたダーマは寝返りを打つようにしておりて、床に私を押し付けた。

ダ「忠告も無視して眼鏡勝手に外して、俺にキスまでして。襲われてぇのか」

『ち、違う違う!!ほんとに忘れてて……！』

ダ「とりあえず返せ、眼鏡」

『すみませんでした……!!』

私は大人しく彼に眼鏡を手渡した。ちょっと残念な気持ちもないと言えば嘘になるけど。

ダ「あと、俺にちゃんとキスして」

『……ん!?はい!?』

ダ「ほっぺじゃなくて、ちゃんと口に」

『えぇ……。わかったよ……』

軽く唇が触れ合って、すぐに離れた。

『はい…！終わり…！もうどいて？』

ダ「……続き、してぇなら今のうちだぞ」

『…へっ？』

ダ「なんでもねぇ」

ダーマはそう言って、ふいっ、と顔を背けて体を起こしてどいてくれた。

ちゃんと聞こえてましたけど？？？

照れてんの可愛すぎですか？？？

『ん、もう……！』ﾁｭｯ

ダ「………!?」

『本当はダーマの方なんじゃないの、したいの』

ダ「……分かってんなら、」

ダーマはまた私の上に覆いかぶさり、

ダ「手加減なんて、いらねーよな？」

そう妖艶に笑った。