10h ページ10
打ち上げが始まって1時間を過ぎた頃。
ジミンさんは明らかに酔っているようだった。
飲むペースは早いし、
目もトロンとしていてどこを見ているのか。
正面のジンさんとお話しようとしても
ダメ！と遮ってしまうし、
頭を掴んでジミンさんの方へ向けられてしまう始末。
「お酒はもう辞めましょ？
明日しんどくなっちゃいますよ。」
声をかけてみるも、うーんとしか言わない。
揺すってみても効果なし。
「明日は午後からだから、
僕たちの方でなんとかするよ。」
ジンさんが見かねた私に声をかけてくださった。
ジミンさんは聞こえていなかったのか、
反応はしなかった。
「ジミンさんって、
いつもこんな感じなんですか？」
「僕たちの中では結構強い方だよ。
今日は楽しくて飲みすぎたのかもね。」
ジンさんの目線を追うと、
優しい顔をして眠るジミンさんがいた。
遂に落ちたか…。
「ジミナァー？」
眠ってしまったことに気が付いたテヒョンさんが
声をかけるも、
起きる気配はなかった。
私もなんだか眠くなってきた。
抑えきれなくなって欠伸がもれた。
「Aさんも眠くなってきた？」
「そうですね…。
ジミンさんと同じペースで飲んでいたので。」
また一つ欠伸をこぼしたとき、
ナムジュンさんの今日はおしまいにしましょうか
という一声でお開きになった。
.
「今日はありがとうございました。
とても楽しかったです。」
お会計を済ませお店を出た後、
ソユンオンニが感謝の言葉を口にした。
「いえ、こちらこそありがとうございました。」
ユンギさんは酔っている感じがしない。
ジンさんとナムジュンさんは
セーブしながら飲んでいたようで、
ほろ酔い、といったところ。
テヒョンさんとホソクさんは、
立っているのもやっとの様子。
ジョングクさんはあまり飲んでいなかったのか
とても元気で、
ジミンさんを担いでウサギのような笑顔をしている。
ふとユナを見ると、足元がおぼつかない。
私もかなり飲んだんだけどなぁと思いつつ、
ユナに肩を貸した。
「では、私達は朝からあるので…。
またお会いできることを楽しみにしています。
おやすみなさい。」
メンバーがちょうど来た車に乗り込んだ時、
再度お礼を言ってお辞儀をした。
こんな機会は滅多にないから、
楽しかった。
ジンさん、ユンギさん、ナムジュンさんが
手を振っているのを見て、
私も手を振り返し車へ乗り込んだ。
.
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作者名：わらし | 作成日時：2021年7月9日 0時
