幽霊族と限界社畜 (ページ5)

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不法侵入ページ5

貴方『え？は？なんでここに居るんですか？というか不法侵入なんですけど』

？「行くところもなくてのう。ここを通りかかった時この子が招いてくれたのじゃ」

貴方『招いたって…鍵は？』

レオ「くぅん？」

？「この子じゃが？」

貴方『やっぱりか…』

レオは毎回自分で鍵を開けて散歩に出るのだ。本当に我のペットながら有能である。

貴方『ほら今すぐ警察のところ行きますよ』

？「なぜじゃ？」

貴方『なぜって貴方どこの誰かもわかってないのに』

？「行ってもよいがわからんと思うぞ？」

貴方『は？』

？「わしは人じゃないからの」

貴方『人…じゃない？』

目の前の人は何を言っているのだろうか。見るからに人の姿をしているし化け物のような見た目をしていない。

貴方『じゃあ病院もう1回行きましょう』

？「おかしくなったわけでもないぞ」

貴方『頭おかしいしかないでしょ。人じゃないとか馬鹿馬鹿しい。いるわけないじゃない見えないし』

？「それはおぬしが見ようとしてないからじゃ。奴らはそこにずっと居るぞ」

貴方『え』

彼は静奈のすぐ後ろを指さしていた。彼には一体何が見えているのだろうか。彼には見えている彼女の後ろにいるたくさんの黒い影を…

貴方『っ！だ、だったら貴方はなんなのよ…』

？「わしは幽霊族じゃ」

貴方『幽霊族？ゆ、幽霊なの？』

ゲゲ郎「くふふっわしは幽霊族の末裔じゃ。そうじゃなゲゲ郎と呼ぶと良い」

貴方『ゲゲ郎…さん』

変わった名前をした人だと思った。今では考えられない着物を着ている。でもなんだか絵に書いたような人だ。

貴方『あのとりえず警察のところ行きましょう』

ゲゲ郎「意味もないのにか？」

貴方『見たところあなたこの時代の人ではないでしょう？』

ゲゲ郎「ふむっ確かにここは物凄くハイカラじゃのう」

貴方『ハイカラって…』

ゲゲ郎「仕方あるまい。ここに住まわせてくれるなら行くとしよう」

貴方『はぁ！？』

とんでもないことを言い出した。さらにここに住まわせてくれないのならここから動かないと本当に動かないのだ。

貴方『わかりました。来てくれるならここに居てもいいですよ』

ゲゲ郎「本当か！？ならすぐ行こう！」

貴方『ちょ、ちょっと！』

すぐさま拗ねた顔から笑顔になりすくっと立ち上がった。そして静奈の手を繋ぎ外へと歩いていったのだった。