幽霊族と限界社畜 (ページ33)

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神楽鈴ページ33

ゲゲ郎は静奈を護りながら主人と狂骨両方相手しているため息が上がっている。さらに傷が沢山できていた

貴方『なにかっなにか戦えるもの！』

ここは山の上なにか戦えるものなど見当たるはずがなかった。だけれど諦める訳には行かない

貴方『お願いっなにか！なにか！あって！』

次の瞬間なにかが手に触れた。それはリンっと綺麗な音を奏でる。持ち上げてみると錆び付いているのにも関わらず綺麗な鈴の音を奏でる神楽鈴だった

【使ってあなたの大切な人を護るために】

貴方『誰！？』

【貴方なら扱えるわ。私と同じ魂の形をした貴方】

貴方『もしかして"弥琴"？』

【私に続けて唱えて。大丈夫。自分を信じて】

自分の身体に弥琴が憑依した。そしてゆっくりと手を上にあげ神楽鈴を揺らす。

貴方/弥琴【『祓い給え。清め給え。六根清浄急急如律令！！』】

ゲゲ「なんじゃ！？」

主「狂骨が！！」

狂骨の周りに囲むほどの六芒星が形成された。そして狂骨を包み込み光の粒子へと変えたのだった

貴方/弥琴【『悪しき者は滅しました。まだ続けますか？裏鬼道の老人よ』】

主「覚えておれ」

そういうと主人はどこかへと消えてしまう。そして月永に憑依した弥琴はゲゲ郎の方へ向く

弥琴【幽霊族のお方。この子を護ってあげてね？】

ゲゲ「元からそのつもりじゃ」

弥琴【ならいいのだけれど】

ゲゲ「…そろそろ静奈を返してくれんか？」

弥琴【うふふっこの子のこと愛してるのね】

ゲゲ「・・・」

弥琴【わかってるわ。言わないであげる】

弥琴が静奈の身体から出ていくとふっと身体が力無く倒れる。ゲゲ郎はすぐさま支え抱き上げた。すうすうと眠る彼女を抱きしめる

ゲゲ「おぬしのおかげで助かった。しかしあまり無理はしてくれるな…」

遥信「どういうことだこれは」

ゲゲ「帰ってから話す」

遥信「静奈は無事なんだろうな」

ゲゲ「無論無傷じゃ」

これからも彼女に厄災が降り掛かるだろう。それを彼女は耐え切れるのか不安になったゲゲ郎であった