幽霊族と限界社畜 (ページ29)

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抜けられない神社ページ29

廃神社へ入って数十分が経ったというのにも関わらず目的の社に着く気配がない。それになんだか肌寒くなってきた

ゲゲ「静奈戻ろう。良くない所へ入っている気がする」

貴方『そ、そうする…』

「ニガサナイ」

貴方『っ！な、なに？』

「ミツケタミツケタミツケタ」

「カエセカエセカエセ」

ゲゲ「こっちへ来るのじゃ。囲まれた」

貴方『え？』

当たりを見渡すと木や石、崩れた石像の後ろに紅く目を光らせた者たちがこちら見ていた

貴方『こ、こんなに沢山…』

ゲゲ「目を合わせるでない。あともう少しこっちに来てくれんか」

貴方『っ！なんなの…これ…』

ゲゲ「なにやら悪い気に当てられおかしくなっておるのだろう」

怖くてゲゲ郎の着物をぎゅっと強く握りしめる。手を伸ばしてくる者もいるがゲゲ郎が払ってくれていた。

ゲゲ「皆の衆、落ち着きなされ。なぜに彼女を襲う？」

「カエセ…カエセ…」

貴方『もう嫌ぁぁ！！』

ゲゲ「っ！しっかりするのじゃ！弱みに付け込まれるぞ！」

貴方『だってぇぇ…』

怖くて怖くて足が震えて立っていられなくなる。ゲゲ郎はそれを見かねたのか静奈を抱き上げる。

ゲゲ「これ以上は危険か…静奈しっかり掴んでおれ。走るぞ」

貴方『うんッ』

ゲゲ郎は静奈を抱きしめたまま木を器用につたっていく。彼らも追いかけてくるので下駄で撃退する。

ゲゲ「静奈大丈夫か？」

貴方『ひくっ…ぐすっ…』

ゲゲ「顔が涙で酷くなっておるな。もう大丈夫じゃ」

貴方『ありがと…ぐずっ…』

ゲゲ「泣いた静奈は素直じゃの。ほれ宿へ戻ろう。あそこはまだ安全じゃ」

貴方『んっ…怖いからそばに居てね？』

ゲゲ「もちろんじゃ。ずぅとそばに居るよ」

ここはまだ危険なため一旦宿へと戻る。静奈が寝付くまでずっとそばに居たゲゲ郎なのであった。