幽霊族と限界社畜 (ページ27)

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妖怪に愛された女ページ27

それは西暦794年。それは人間の世界では平安時代と呼ばれていた頃。京の都では妖怪たちが人間を支配していた。

人形「妖怪たちは人間を恐怖で人を支配していたわ。そこで人間に嫌われ妖怪に好かれた女の子が一人いたの」

貴方『妖怪に好かれた女の子…』

人形「その子の名前は弥琴…」

貴方『弥琴…』

彼女は傷を癒す力と未来が見える天眼を持っていた。それゆえに家族には捨てられ村人にすら見捨てられた可哀想な女の子

人形「人間たちは妖怪たちを倒そうと力をつけていった。でも体力が有り余っている妖怪にとって人間なんて容易いもの」

ゲゲ「そうじゃろうな。妖怪の力は凄まじいものじゃ」

貴方『勝てないの？』

ゲゲ「退魔師や陰陽師たちならば勝てたかもしれんのう」

京では陰陽師たちも沢山いたため人間が滅亡することは無かったが妖怪たちの手からは逃れられなかった。

人形「だからこそ彼らは彼女に手を出した。彼女を餌に妖怪たちに支配から解放するよう言ったのよ」

妖怪たちは弥琴を大切にしていたため人間たちの言うことを聞いたらしい。しかしそれは妖怪たちにとって最悪なものだった

人形「人間たちは解放すると言っていたくせに弥琴を殺したの」

貴方『っ！』

大妖怪たちは条件の中に自決するようあったため自決した。そのため残っていたのは小妖怪たちのみ。彼らは為す術なく消された

人形「それから数日が経って彼らの怨念が留まり続けているの」

ゲゲ「なるほど。つまりはあのもの達は憎しみによって変化したわけか」

人形「貴方はよく弥琴に似てる。だからここの子達には狙われると思うわ。気を付けて」

貴方『わ、わかった…』

ゲゲ「安心せい。わしがちゃんと守る」

貴方『ゲゲ郎さん…』

人形「ほらもう寝なさい。もうすぐ夜になるわ」

不安を抱えながら眠ったのだった。しかしなかなか寝付けずいたのは仕方ないことである。