幽霊族と限界社畜 (ページ26)

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宿屋ページ26

ここの宿は泊まる人がおらず静奈たちだけだという。なので一人一つの部屋に泊まることになった。ゲゲ郎がいるため静奈は安堵した。

貴方『いや、ゲゲ郎さんもここに泊まるわけ？』

ゲゲ「わしを外で寝ろと言うのか？」

貴方『そうじゃないけど…そんなこと1ミリもないと思うけど私たち異性だし』

ゲゲ「？？」

これはわかっていない顔だ。ゲゲ郎がそんなことするはずもないし、しらないと思うから大丈夫だと思おう。

貴方『まぁいいか…』

「こんにちは」

貴方『ひっ！』

ゲゲ「これ静奈を脅かすでない」

急に声をかけられ驚いた。声のする方向を見るとにっこりと笑顔でこちらを見る日本人形がいた。

人形「ごめんなさい。可愛らしいお客さんが来たから舞い上がっちゃって」

貴方『か、可愛い！』

人形「えっあっ恥ずかしいわ。き、気持ち悪くないの？」

貴方『え？めちゃくちゃ可愛いよ？』

ゲゲ「静奈は肝が据わった娘じゃ。安心せい」

人形「そのようね。仲良くしましょ？」

貴方『うん！』

日本人形は可愛らしい見た目をしており思わず撫でたくなる。こんなに可愛いのに気持ち悪いわけが無い。

人形「それにしても貴方…人じゃないわね？」

ゲゲ「よくわかったのう」

人形「変なの。人間と人ならざるものの恋仲なんて」

貴方『こ、恋仲！？』

ゲゲ「くくっ残念じゃがわしと静奈は恋仲では無い」

貴方『残念ってなによ！』

この日本人形はなんてことを言い出しているのだろう。静奈がゲゲ郎が仲良くここに泊まろうとしているので恋仲と思っていたようだ。

人形「それに静奈。貴方ここに来たなら気をつけなさい。貴方は"あの方"によく似てる」

貴方『あの方？』

人形「可哀想な人間の女の子のことよ。聞きたい？」

ゲゲ「ここは嫌な気が渦巻いておる。それが静奈に影響するかもしれんのなら聞いておきたい」

貴方『か、関係あるの？』

ゲゲ「予感じゃよ。気のせいだと思いたいがな」

人形「わかったわ。教えてあげる。あれは平安時代…西暦794年のことよ」