幽霊族と限界社畜 (ページ25)

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山登りページ25

目的地へ着いた静奈たちは泊まる予定の宿が山の上にあるため登っている途中だった。仕事で疲れているというのに山登りなんてありえない。

同僚「し、死ぬ…」

貴方『頑張って。あと少しらしいから』

同僚「山登りなんて…いつぶりよ…ほんと…」

ゲゲ「気が荒いヤツらが多いのう…」ﾎﾞｿｯ

ゲゲ郎はみんなに見えないようにしつつ周りを警戒する。静奈にはわからないがゲゲ郎には沢山の人ならざるものたちが見えている。

？「ミツケタ…」

貴方『ん？』

ゲゲ「どうした？」

貴方『なんか視線を感じて…いや、気のせいかも』

ゲゲ「…用心した方が良いな。嫌な気が渦巻いておる」

貴方『わかった』

やっとの思いで着いた宿はすごく失礼だが見るからに不気味だった。みんなも不満なようでひそひそと話していた。

貴方『だ、大丈夫なのかな…』

同僚「不安しかない。なにこのボロい宿」

？「ボロくてすみませんね」

同僚「ひっ！」

貴方『失礼だよ。ごめんなさい。ここの宿の人ですか？』

主「ええそうですよ」

後ろから突然声がして方をビクつかせてしまう。いつの間に居たのか後ろには男の人が立っていた。

主「おや珍しいお客さんもおいでだ」

貴方『え？』

ゲゲ「こやつ…」

貴方『い、今ゲゲ郎さんの方見たよね？』

ゲゲ「目線が合うた。霊力が高いのか…はたまた…」

貴方『や、やめてよ…』

恐怖心がさらに高まり身体が震える。しかしみんながどんどん先に行くので急いで追いかける。

ゲゲ「なにも起きぬと良いが…」

貴方『ゲゲ郎さん置いていくよー』

ゲゲ「今行く」

この社内旅行が静奈にとって最悪なものになるなんてまだ知らなかった。いやゲゲ郎は少しだけだが気づいていたのかもしれない…