幽霊族と限界社畜 (ページ3)

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異様な格好ページ3

レオを追いかけ路地裏へと入った静奈は落書きが沢山書いてある壁にもたれ掛かり倒れている人物を発見した。彼は今どき珍しく着物を着ており髪で片目を隠していた。

貴方『嘘…あの大丈夫ですか！？』

レオ「わん！」

貴方『っ…なに…これ…血？』ﾍﾞﾄｯ

彼に駆け寄り体をゆるすると手がぬるっとして見てみると赤い血がベッタリとついていた。暗く見えずらかったが彼は身体をざっくり切られていたのだ。

貴方『きゅ、救急車…呼ばなきゃ…』

？「うっ…」

貴方『だ、大丈夫ですか！？今救急車呼びますから！』

彼は見えている片目をうっすら開けて意識を取り戻したようだ。しかし傷が痛いのだろうまた徐々に目を閉じる。

？「おぬし…は…」

貴方『お願い…早く出て…』

「はいこちら119番です。火事ですか？事故ですか？」

貴方『ええっとじ、事件？だと思います。男の人が肩からざっくり切られてまして…それでッ』

「落ち着いてください。場所はどこですか？」

少し息を整え場所や経緯を丁寧に説明していく。救急車はすぐに来るそうだ。それまでレオとともに彼に声をかける。

貴方『大丈夫ですからね。すぐ救急車来ますから』

レオ「わぅ？くぅん」

彼は顔を顰めつつ泣きながらこちらを安心させるように声をかけてくれる月永に手を伸ばす。そしてうっすらと微笑む。

？「おぬしは…やさしい子じゃのう…なくでない…」

貴方『でも…貴方が…こんなに血だらけでッ…救急車早く…』

レオ「わん！」

貴方『ありがとうレオ。そうだね少しでも止血を…』

？「っ！いっ！」

貴方『ごめんなさいごめんなさい。少し我慢してください…』

救急車が来るまでに少しでも流れる血を抑えておかなければこの人が死んでしまう。レオがカバンからタオルを取ってくれたのでそれを使って止血する。

「お待たせしました！」

貴方『よかった…この人です』

「ご苦労様です！後のことはお任せ下さい」

貴方『お願いします…その人を助けてあげてください』

「もちろんです。後日詳しく聞かせていただくと思いますので」

貴方『はい。もちろんです』

レオ「わん！わんわん！わん！」

「君もありがとうね。大丈夫だよ」

救急車はその男の人を乗せてすぐさま病院へと走っていた。レオとともに帰宅してベッドへ突っ伏すとそのまま寝てしまってのだった