幽霊族と限界社畜 (ページ16)

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遥信の過去ページ16

〜遥信side〜

あれは昭和18年の冬だったと思う。俺は戦争に駆り出され国のためと戦っていた。もちろん仲間の死も敵の死も沢山見てきた。

遥信『くそ…これで勝てんのかよ…』

上官「月永！！」

遥信『はっ！なんでしょう上官！』

上官「貴様はすぐに○○へ移動し復旧に専念せよ！」

遥信『了解いたしました！！』

俺たちの上官は酷いものだった。横暴で欲張りで…仲間をただの駒としか見ていない最低なヤツだった。

友「遥信聞いたか？俺たちはもうすぐしたら特攻させられる。しかも無駄な特攻だ」

遥信『ああ聞いた。上官たちは俺たちが生きていると都合が悪いんだろ』

上官「○○！月永！作戦を始めるぞ！！早くしろノロマ！！」

友/遥信「『はっ！！』」

俺が駆り出された戦地の状況は最悪で撤退した方がまだ最善だった。なのに上官たちは俺たちに死ねと言った。

遥信『失礼ながら申し上げます！ここは撤退した方が良い私は思います！』

上官「なんだと？」

遥信『ここで特攻すれば兵士の数も減り日本が不利となります！撤退し作戦を立て直した方が…』

上官「このクズが！！いいか！生き残るのが目的では無い！足を失おうが手を失おうが体のどこかが吹き飛ぼうが敵を殲滅せよ！」

遥信『な！？』

俺はあの時から俺たちの扱いに違和感を覚えていたんだ。何度も抗議した。しかし受け入れて貰えず参戦続行。俺は手榴弾により顔の右側を負傷した。

遥信『これならあと数日で復帰できるか…』

看護師「こんにちは月永さん。上官の方からこれを預かっています」

遥信『手紙？』

その手紙にはこう書かれていた。"貴様はもう戦えないと判断し青酸カリで自殺することを命令する。逆らえば無理やりにでも飲ませる"と。腸が煮え繰り返った。俺はそれを地面に叩きつけた。

遥信『ふざけるな！人をなんだと思ってんだよあの人たちは！』

「上官から貴方に飲ませるよう命令されましたので実行いたします」

遥信『くっそ！離せ！ふざけんな！俺はまだ戦えるしまだ死ぬわけじゃない！』

「早くしろ」

「はっ！」

遥信『やめろぉぉぉ！！』

無理やり青酸カリを飲まされ身体の力が抜けていった。そして気づいたら俺は静奈の守護霊としてこの世にとどまっていた。