幽霊族と限界社畜 (ページ13)

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帰宅ページ13

レオ「わんわんっ！」

ゲゲ「ほれおぬしのご主人様じゃよ」

気持ちよさそうに寝ている静奈をゆっくりベッドへ降ろす。まだ彼女はお酒で顔が赤い。

ゲゲ「これは朝になるまで起きんのう」

貴方『んぅ…もう…しごと…やだ…』

ゲゲ「おぬしあの時わしが来んかったらどうするつもりだったんじゃ？」

ゲゲ郎があの時来なかったら彼女はホテルに連れ込まれていただろう。あの男に釘をさしておいたがおそらく諦めてはいない。

ゲゲ「おぬしは優しいが故に付け込まれやすい。それに会った時から思っておったがおぬしも死相が出ておる。」

レオ「わぅ？」

ゲゲ「大丈夫じゃ。わしが必ず護る。それにおぬしも"あやつ"もおるしなぁ」

レオ「わぅ…わん！」

ゲゲ「そうかそうか。お主も一緒に護るか。健気な子じゃ」

レオ「わん！」

ゲゲ郎の言う"あやつ"とはあの時の黒い影のことである。彼女が目覚めたのは日が登った頃だった。

貴方『んっ…あれ…いえ…？』

ゲゲ「起きたか？」

貴方『う、うん』

レオ「わんわん！」

貴方『頭痛っ…』

ゲゲ「酒で頭が痛いのじゃろう。ほれ水じゃ」

貴方『あ、ありがとう』

ゲゲ郎から水を受け取りそれをゆっくりと飲む。そしてさっきからこっちをじっと見ているが何か用があるのだろうか。

貴方『な、なに？』

ゲゲ「してお主は一種間も家に帰らず会社で寝泊まりしていたのじゃ？」

貴方『うちの会社ブラックなの』

ゲゲ「ほう？」

貴方『女はセクハラされて当然。上司のパワハラは当たり前。人権なんてあったもんじゃない』

ゲゲ「つまりは仕事を押し付けられて帰れなかったというわけじゃな？」

貴方『ミスを擦り付けられたりね。ああもうやだ…仕事辞めたい』

ゲゲ「それだけではなかろう」

貴方『え？』

ゲゲ「調べておったな？わしが帰れる方法を」

貴方『そんなこと…』

ゲゲ郎のその見透かすような目線からは逃れられなかった。静かにこちらをじっと見る瞳から逃れようと視線を下にしようとする。

ゲゲ「目を逸らすな。違うというのならなぜこっちを見ようとせん」

貴方『別に何も無いから…今日も会社だから行ってくる』

逃げるように立ち上がり襖に急いで走る。つぎの瞬間引っ張られ気がつくと天井が目の前にあった…