第六話 ページ7
拓馬「ほんじゃーな」
『んじゃな。相変わらず忙しそーやな』
拓馬「ホントにブラック過ぎ...」
ウチの学校の吹奏楽部は、中々の強豪らしく、その分部活もキツイらしい。
愚痴をこぼした拓馬が、嫌々ながら音楽室に消えていった。
それを見送ると、窓の外に目をやり、カバンを持って玄関に向かって歩いた。
『...ザーザー降りや、』
屋根のある所に立って、雨雲に覆われ、ザーザー降りの空を眺める。
手元に傘は無い。
朝、天気予報を見忘れてしまっただけに、今日に限って雨が降ってしまった。
『どーしよかな、』
脇「Aさん?なにしとー?」
このまま雨の中、突っ走って行こうかと悩んでいると、後ろから聞こえてきた脇先生の声。
『脇先生やん』
脇「どーも。傘ないん?」
『...ご覧の通り』
そう言って両手を広げてみせると、脇先生は呆れたように笑った。
脇「天気予報見とらんの?降水確率結構高かったけどなぁ、」
『今日に限って忘れたんですー.....はぁ、』
脇「そら、どんまいw」
『濡れて帰りますわ。それじゃ』
そう言って脇先生に背を向けて学校を飛び出した。
後ろで脇先生がなんか叫んどーけど、そんなん気にせずに、雨に濡れながら走った。
我ながら馬鹿やとも思ったけど、雨止む気配ないしこうするしかなかったよな。
『ビッチャビチャや、』
家に親がいなくてよかったわ。
.....いたら、絶対怒られとる。
14人がお気に入り
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:スノーマン | 作成日時:2020年1月29日 22時