第十三話 ページ14
脇 side
橋本「脇先生、Aの欠席とか連絡来てませんよね?」
「え?...あ、はい」
朝、机に向かって色々まとめていると、橋本先生が確認するようにそう聞いてきた。
A...って、Aさんよな?
橋本先生がそう聞くって事はまだ来てないんかな。
もしかして、また風邪?
そんな心配を募らせながら、Aさんの家の様子をまた思い出した。
言い方は悪いけど、家族の温かさを感じんリビング。
家族写真とか、Aさんの小さい頃の写真とかどの家庭にもありそうなものが、あの家には無かった。
Aさんも、一人でいることに慣れとる感じやったし。
人の温かさがなかった。可哀想やな、なんて思ってしまった。
今にも壊れそうで、泣きそうで。
教師じゃなかったら、多分抱き締めとったと思う。
橋本「あ、ごめんやけど、ちょっと電話して確認してくれん?ちょっと俺今手ぇ離せんから」
「あ、はい。分かりました」
橋本先生の声に返事をして、あのクラスのファイルを開く。
Aさんの家に電話をかけた。
...でも、一向に出る気配ない。
やっぱり、また体調不良で寝込んどるのかも。
心配しだしたらキリがなくて、気づけばAさんの事が頭から離れんかった。
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作者名:スノーマン | 作成日時:2020年1月29日 22時