19 ページ19
駆け足で校門まで向かうと、
先輩はもう当たり前のようにそこにいて
ふわっと笑いかけてくれた
『すみません、待たせて』
TH「いいよ、今来たとこだし」
『それは嘘ですよね』
窓から見えたし
そう伝えると、
「カッコつけさせてよ」
とちょっと口を尖らせて拗ねた先輩に、
ただ素直に温かい感情が溢れた
，
さわさわと、頭上の木が揺れる
時折吹く風が、火照った体を
冷やしていくのが気持ちいい
TH「…ちょっと真剣なこと言ってもいい？」
『え…あ、はい』
穏やかなぬるま湯に浸っていると、
突然先輩がそう言った
思わず返事をしたけれど
怖い
先輩相手に、そう思ってしまった
先輩はいつもちゃらけていて、
何も考えていないように見えるけど
誰よりも人を観察し、評価し、
接していることを私は知っている
それは、決して悪いことではない
それは、私にはない、
とても大切なことだ
TH「…別れよ、俺たち」
『え……」
一瞬息が止まったような気がした
言葉が、出なかった
反応が、できなかった
一瞬わけがわからなくなって、
頭の中でその言葉を反復する
どうして
どうして、先輩
TH「Aだって、気づいてるんでしょ。今に満足しきれていないこと」
『…』
先輩は思わず立ち止まる私の前に出て、
じっと瞳を覗き込んで来た
強い意志
強い決意
私との関係を壊す覚悟
迷いなき決断
そして…
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 1281人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「ジョングク」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
sorana(プロフ) - 教えてくださってありがとうございます！直しときました！ (2020年3月12日 18時) (
レス) id: e94d00f782 (このIDを非表示/違反報告)
なーなーRM(プロフ) - 31がふたつありますよー。 (2020年3月11日 11時) (レス) id: 18f355ce64 (このIDを非表示/違反報告)
sorana(プロフ) - コメントありがとうございます！更新頑張ります！！！ (2020年3月11日 11時) (レス) id: e94d00f782 (このIDを非表示/違反報告)
カフェ猫 - 更新してくださってすっごく嬉しいです！！このお話大好きです！続き楽しみにしております♪ (2020年3月11日 7時) (レス) id: baaac411fe (このIDを非表示/違反報告)
Kaede.0807(プロフ) - 更新楽しみに待ってます！ (2019年11月16日 22時) (レス) id: 3d85b18928 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：sorana | 作成日時：2019年8月1日 1時
