新・BTSのマネージャー (ページ44)

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彼女は優しいから、

だから、

断れないのも分かってて。

いや、それだから、

「恋がわからなくてもいい。僕と付き合ってくれないかな？」

そう言った。

付き合う？

グクと付き合った場合の私のメリットは、よくわからなかったけど、

私と付き合った場合のグクのメリットは理解できた。

私は恋がわからない。

だから、付き合ってもグクが幸せになれるのかはわからない。

それでも、

私と付き合ってすくなくとも苦しい思いをしなくなるのなら、

私にできることなら、

私はグクの支えになりたい。

今までもらったもの以上にグクにあげたい。

グクと付き合った場合の私のデメリットはなさそうだし、

頷いた私をグクが抱きしめた。

そして、耳元で「ごめん。」と囁いた。

「どうして？」

と聞いたけど、

何も言わず、

その瞳はどこか寂しげに揺れていた。

あの後、遊園地から帰ってきて、

帰り道だったのでグクをシェアハウスまで送った。

「恋人ってどんなことをするの？」

と聞いたら、

「僕がリードするから、気にしなくていいよ。」

と微笑みながらグクが言う。

どうしてだろう？

最近のグクの笑顔はどこか寂しそうで、

儚い。

そして、グクと別れる前もう一度キスをされた。

不意打ちにびっくりしている私を少し笑って、

「恋人ってこういうこともするだよ。」

と言う。

そして、家の中に入っていった。

ずっと繋いでいた手が空になって、

その喪失感を感じながら私らしばらく立っていた。

馴染みのないその感情は恋なのだろうか？

だったら恋というものは悪くない。

だってこの感情は新鮮で、

ちょっと面白いから。

ドアを開けたら、テヒョンがいた。

別に驚かないけど。

だってテヒョンは、さっきのキスも見ていたから。

いや、テヒョンがいたからキスをした。

の方が正しいのかもしれない。

見せつけたかった。

これ以上テヒョンが彼女の心を揺らさないように。

やっと繋いだ手を離したくなくて。

最低なのはわかってる。

それでも、

僕のものでいて欲しいから。

「さっきの、、、、、、、。」

「ん？」

「やっぱり、なんでもない。」

言いかけてやめるテヒョンは、

彼女と同じように優しい。