新・BTSのマネージャー (ページ28)

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「テ、ヒョン？」

リアが呟く。

まさかこんなことになるとは思ってなかったんだろう。

呆然としている。

でも、その目はどこか「死ねばよかったのに。」と言っているようで怖かった。

次の瞬間、リアは人が変わったように微笑んだ。

「よかったー、助けてくれて。ごめんね、Aさん。まさか、あんなに動揺するとは思わなくて。」

嘘つき。

「リア。」

テヒョンが声をかける。

まだ、リアを信じるの？

自分の心に素直になった私は、

テヒョンが離れて行って欲しくないと強く思う。

でも、それを言葉にすることができない。

声が出したい。

今までより強くそう思う。

大事な場面で私は何もすることができない。

悔しくて、思わず下を向く。

「あんなこと言っちゃダメだよ。」

テヒョンの手が私を撫でる。

温かくて、優しくて、お母さんみたい。

大きくて、強くて、お父さんみたい。

「あれはっ、そのー、日頃のことで苦しくなって、ついっ！」

「分かってくれるよね、テヒョン？」

リアは可愛い。

効果的な上目遣い。

効果的な甘え声。

私にはなくて、男が好きなもの。

「いくら、嫌なことをされたからって人の触れて欲しくないところを執拗に触れちゃダメだよ。」

「、、だって、、、、」

テヒョンが続ける。

「それにリアは十分復讐したよね？もういいと思う。それに僕は、100パーセントAがしたとは思ってない。」

「リアはやり過ぎだよ。」

座り込んだ私をテヒョンが立たせてくれる。

遠ざかる私達に向かってリアが「待ってっ！」と叫ぶ。

「誤解なの！私は、私はっ、悪くないのっ！」

でも、その声はもう届かない。

リア、気づいてる？

あなたの王国はもう長くは持たない。

偽った自分は長くは持たない。

いつかは崩れていく。

あなたのように、私のように。

連れてこられたのは、、、、

どこ？

「僕らの家。」

そんな私の疑問。を感じとったのか、答えてくれる。

さっさと中に入っていこうとするテヒョン。

ちょ、説明は？

思わず掴んだ袖。

こっちを向いて、

「それ、可愛いんだけど。大丈夫、今は人がいないから。」

と言ったテヒョンは、

相変わらずありえないくらいカッコよかった。

よく分からないまま、私はBTSのシェアハウスに足を踏み入れた。