新・BTSのマネージャー (ページ19)

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「、、、、っ。」

世界が止まった気がした。

誰か聞いていてくれないかなーって思ったりしたけど、

まさか本当に聞いていたとは。

「声が出ないのは、わかってる。だから、この紙にいろいろ書いて欲しい。」

謝罪、するんだろう。

「リアの話を鵜呑みにして、ごめん。暴力も振るったりしたよね。本当にごめんなさい。」

やっぱり、と思った。

私って、性格悪いね。

人が誠心誠意謝ってくれてるのに、

素直に受け止められない。

リアの本性が分かった時、どうせ謝るんだろうって思ってたから。

でも、謝ったところで、過去が変わるわけじゃないんだけどね。

私は、、、、

謝罪は、、、

自己満足だと思っている。

「許して欲しいなんて思ってない。それでも、、」

なら、言わないでよ。

「言いたかったから。」

そんなのあなたの勝手でしょ？

私を巻き込まないで。

ペン先を動かす。

「誰でも」

そこで、一瞬悩む。

「間違いはある。でも、」

勘違いしないでね？

「許さないから。あなたがしたこと、忘れないから。」

口を挟んで欲しくなくて、必死に手を動かす。

「助けはいらない。私のこと、誰にも言わないで。知らないふりをして。」

グクが何かを言いかける。

それを手で制して、一口だけ残しておいたスパゲッティを食べる。

冷えていても、美味しかった。

そして、席を立った。

いま、声をかけられれば何かがこぼれてしまいそうで、

出来るだけ早足で歩いた。

～グク～

立ち去った彼女に、

追いかければ声をかけることもできるのに、

僕は動けないでいる。

拒絶された。

僕の手はいらないと。

分かっていたけど、少し胸が苦しくなる。

彼女に今までしてきたこと、

最低だよ、僕。

リアの言葉を鵜呑みにして、

彼女の言葉を聞こうともしなかった。

大切な存在だったのに。

手を離すべきじゃなかったのに。

「あ～ぁ。」

人を好きになったのは、何年振りだろう？

ふと、そう思う。

初めてかもしれないと思う。

こんなにも、笑っていて欲しいと思える人は。

どこが好きなんだろう？

一瞬悩む。

人を好きになるのに理由なんていらないっ！

と言いたくなるけど、

多分あの笑顔が好きなんだ。

自分まで嬉しくなるようなあの笑顔が。

「好きだ。」

ポツリと呟く。

この想いは、伝えてはいけない想いだ。