6 ページ6
ついこの間までしょんぼりとしていたジェシー、ルンルンと鼻歌を歌ってたかと思えばスマホを見てまたしょんぼり。
「なに、どうしたの？」
どうせAさんのことだろ、と思いながら声をかければ大きなため息が返ってくる。
「Aちゃんから返信来ない」
「へー…え、連絡先交換したの？いつの間に？」
「次やる舞台で一緒なの。この間“明日会えたら運命だから連絡先教えてね”って言った次の日が情報解禁日でさ」
「ああ、ミュージカルだっけ」
「そうなの！でもAちゃんとは会話するシーンもないし、一緒に歌うシーンもあるけど近くはないし」
「ふーん？まあAさんも仕事忙しいんじゃないの？舞台続くって言ってたし」
「そうなの！？てか、なんで高地が知ってんの！？」
「いやお前忘れたの？俺のレギュラー番組、Aさんも不定期で出てるんだけど」
Aさんも女性メンバーの１人、たまにしか会わないけど会ったら世間話くらいはする。このところはジェシー関連が多いけど。迷惑してない？って聞いたら苦笑いされたのは秘密にしておこう。
「でもAちゃんのマネージャーさんは今日の仕事ないって言ってたもん」
「マネージャーまで味方につけてんの？さすがコミュ力おばけ」
「やっぱり嫌だったのかな、10回に１回くらいしか返信ないし」
「…お前どんだけ送ってんの？」
ジェシーのスマホを覗き見れば一方的に送り続けているメッセージの数々。たまにある彼女からの返信は“そうなんだ”“すごいね”くらいなもの。これはやり取りしてると言っていいのか？
「うーん、まだ彼女じゃないのに事細かに連絡したらAさんも困るんじゃないかな」
「そう？俺はいつでもAちゃんに俺のこと知っててもらいたいの！」
「でもこれはやりすぎ。嫌われるよ？」
「嫌われ…っ！」
「ちょっと回数抑えた方が良いと思う。あと返信しやすいメッセージにすること！慎太郎の一発ギャグとか送られても困るでしょ」
面白いのに、としょんぼりするジェシー。慎太郎が面白いのはわかってるけど急に身内ネタを送り付けられても対処出来ないでしょ。まったく、誰の入れ知恵なんだか。
「じゅりー、高地に怒られたー」
「なんで？」
「Aちゃんに慎太郎のギャグ送っちゃダメって」
「え、お前マジで送ったの？ウケる！」
「へ！？ウソだったの！？」
とりあえず樹にはお説教が必要かな？
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 410人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：いか | 作成日時：2023年9月23日 19時
