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「ただいまー」
「おかえり！ご飯出来てるけど直ぐ食べる？」
「うん！」
「準備するから手洗いしてきてね」
Aちゃんとお付き合いを始めて３年目に入る今年から一緒に住んでいる。同棲ってやつ。最近はレコーディングとかあって遅かったけど今日は珍しく19時に家に着いたからかAちゃんも嬉しそう。
「あ！チーズカレーだ！！」
「ジェシーくんチーズ好きでしょ？だからトッピングしてみました！」
「もう可愛い！大好き！」
３年目って別れるカップルが多いらしいけど俺らには皆無。めちゃくちゃ仲良しだし大好きな気持ちは変わらないどころか増えてる。
「そういえば今日久しぶりに大我くんにご飯行こうって誘われたんだよね」
「へー…え？大我が？」
なんで？まさかAちゃんに俺の計画を話してしまうとか…いやない。それはない。大我はそんなことする奴じゃない。
「うん。もうすぐ彼の命日だからお墓参り行ってご飯でも、ってことなんだけど」
「行ってきなよ。俺も一緒に行きたいけど仕事なんだよね」
Aちゃんと同棲する時に俺も彼の眠る場所に連れて行ってもらった。あなたと同じようにAちゃんを大切にしていきます、って誓ったのは記憶に新しい。
俺が彼に勝てるとは思ってないし、嫉妬してもAちゃんが悲しむからしない。とっても大切な人を亡くした心の傷は簡単には癒えない。彼の命日が近付くと元気がなくなるAちゃんを見るのも慣れていくのかな。
「ジェシーくん？もしかして美味しくなかった？」
「あ、ううん！すごく美味しいよ」
うめー！ってちょっと大袈裟にリアクションしながらスプーンを口に運ぶ。安心そうに笑うAちゃんを見て気を遣わせてしまったかな、と反省。
しっかりおかわりも完食して手を合わせる。
「明日はお仕事早いの？」
「朝は7時集合だって。動画何本撮るんだろうね」
「そっか。じゃあ早く寝ないとだね。片付けておくからお風呂入ってきなよ」
「Aちゃんも一緒に入る？」
「え、と……遠慮しとく」
「そう？後から来てもいいからね？」
「行かないから！」
それなりにスキンシップは重ねて来たけど未だに照れるAちゃんは可愛い。本当にたまらなく好き。
「結婚しよ？」
「……え？」
「んえ！？あ、ちがっ…違うこともないけど、あーもう！」
もっと雰囲気作ってとか、オシャレなレストランで、とかいっぱい考えてたのに俺のバカ！！
「んふふ、嬉しい」
「へ？いいの？」
「もちろん！」
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作者名：いか | 作成日時：2023年9月23日 19時
