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大我くん(と高地くん)によってジェシーくんの家に連れて来られたわけだけど、どう話を切り出していいのかわからない。現にジェシーくんも困っているし…もう、大我くんめ。次に会ったら某探偵漫画の非売品グッズでマウント取ってやるんだから！
「もっと、先だと思ってた。こんなに早くAちゃんと会えるなんて思ってもなくて」
「…私も。大我くんに会わなかったら数年は会わないだろうなって思ってた」
数年？10年？もっと後だったかもしれないし、一生会えなかったかもしれない。
緊張からか、はたまた静かな部屋だからか、自分の心臓の鼓動がやけに大きく感じる。ジェシーくんに聞こえちゃうんじゃないかな、なんて。
「ジェシーくんに会いたいって言ったら大我くんが会えばいいじゃん、って連れて来てくれたの」
「俺に会いたいって、思ってくれてたの？」
「あの日ね、彼の命日だったの…ジェシーくんと会った後に私も彼のところに行こうかなって思ってた。本気で思って…でも、そしたらジェシーくんと二度と会えなくなるなって、せっかくまた見付けてくれるって言ったのにな、って思ったら自分はなんてバカなことしてるんだろって考え直して」
「Aちゃん、」
「ジェシーくんと二度と会えないんだって思ったら悲しくて、寂しくて…でも連絡先も消しちゃったしメッセージも全部消しちゃって、何も残ってない状態で初めて気付いたの」
今さら遅いかな？ずるいかな？拒絶されたらどうしようかな？言葉にするのがコワイ。けれど言わないという選択肢はない。
「ジェシーくんのこと、好きなんだなって」
「ほ、本当に？夢じゃない？」
「本当だよ。気付くの遅くなって、ごめんね」
「Aちゃん！！」
ジェシーくんの大きな胸に閉じ込められる。なんだか懐かしい。あの頃から、きっと私はジェシーくんのこと好きだったんだろうな。
「俺、すごく嬉しい。Aちゃんが俺のこと好きになってくれるなんて、もうどうしよう！嬉しすぎて…本当に」
「ジェシーくん、泣いてる？」
「うっ、嬉しくて…」
そっと体を離されて目の前には涙を浮かべてるけど笑顔なジェシーくん。
「俺の彼女になってくれますか？」
「はい」
「あーもう、好き！大好き！絶対もう離さない！！」
「ちょ、苦しいって」
ぎゅ、と再び抱き締められ大きな背中に腕を回す。暖かくて安心する。演技じゃない触れるだけのキスをして笑い合う。
「幸せ過ぎてどうしよう」
「もう、大袈裟だなあ」
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作者名：いか | 作成日時：2023年9月23日 19時
