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Aに会うってルンルンしながら帰ったジェシーをみんなで見送った次の日、樹が仕事一緒で朝会ったジェシーは目が真っ赤でテレビの収録は薄いサングラスを掛けてなんとか乗り切ったらしい。
ここ最近の２人の感じから上手くいくんじゃないかな？ってみんな思ってたけど、それ以上にAは頑固だったらしい
数日後、ジェシーに会った時に色々聞いてそういえばジェシーとAが会った日はあいつの命日だったな、って思い出した。
その日のうちにAと約束を取り付け、個室のある店で会うことにした。ジェシーから話は聞いたけどAが何を考えているかわからなかったから。
「Aはジェシーのこと嫌いだったの？」
「嫌いってわけじゃ、でも…私のせいでジェシーくんの仕事に影響あったらって思うと」
「え？AはジェシーがAの存在ごときで仕事を疎かにすると思ってんの？それともファンに嫉妬されるほどAは良い女なわけ？」
「そんなこと思ってない。っていうか前から思ってたけど大我くん私への当たり強くない？」
Aが芸能界入りする時に苗字呼びと敬語になったけど、辞めた今はそんなの関係ないからと昔のように直してもらった。当たりが強いのは認める。でもAが嫌いってわけじゃない。俺にとって親友もジェシーも同じくらい大事で、Aは妹のような存在でどちらにも幸せになってもらわなきゃ困るから。
Aにはあいつの分まで、それ以上に幸せになってほしい、それだけ。
「本当はジェシーのこと好きでしょ」
「…多分ね。でも、」
「また“でも”って言う。今日何回目？好きなら好きでいいじゃん。何に遠慮してんの？ジェシーはあいつを好きなままのAでもいいって言ってるのに」
「ジェシーくんに悪いなって」
「だから、何の遠慮？ジェシーはそれでいいって言ったんでしょ？信じてやれよ」
同性の俺から見てもジェシーは格好いいし、優しいし、きっとパートナーにしたら絶対幸せになれると思う。っていうかジェシー以外考えられないくらい自信持ってオススメ出来るというのに、なんで頑なにAは認めないんだろうか。
「運命とか俺はどうでもいいと思うけど？２人が好き同士なら問題なくない？」
「だって、怖いから」
「コワイ？」
「また大切な人を失ったら…そう考えると怖いから」
何の前触れもない突然の別れ、そりゃ何年かかろうが完全に立ち直るのは無理なのかもしれない。
Aの気持ちもわからなくもない。でも…
「この先Aはひとりぼっちで生きていくの？」
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作者名：いか | 作成日時：2023年9月23日 19時
