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映画公開後の反響は上々、主にジェシーくんのファンの方々からの評判が良いみたい。ちょっとだけ私の演技も評価されているようで嬉しい。
「映画関連の仕事も今日で最後だね」
「そうだね」
色んな番組に宣伝させてもらってきたけど、それも今日が最後。ジェシーくんと一緒にお仕事出来る最後の日だ。
「この間は、迷惑かけてごめんね」
「なに言ってんの！この間も言ったけどAちゃん何も悪いことしてないでしょ」
「でも、ジェシーくんの衣装汚しちゃったし」
「平気平気。めっちゃ気に入ったから元々買い取りするつもりだったし、気にしないで」
大丈夫だから、と優しい笑顔を向けてくれる。何て返そうか言葉に迷っているうちにスタッフさんに呼ばれて先に歩くジェシーくんの後ろに続いた。
バラエティに慣れているジェシーくんはとても頼もしい。臆することなくギャグを披露し、それを芸人さんがツッコミをして、私や共演者さん、スタッフさんもみんな笑って楽しい収録だった。
「はい、撮影以上です。ありがとうございました」
「もう終わりですか？」
「ジェシー！お前隙あらばボケやがって」
「いやー、楽しくなっちゃって」
ジェシーくんの特徴的な笑い声がスタジオに響く。たくさんの人に囲まれるジェシーくんはやっぱりみんなの中心に居るのが似合う人なんだなって改めて思った。
楽屋で着替え終わって今日は別行動していたマネージャーに終わったことを連絡して迎えを待っているとノックが聞こえた。
「はーい？」
「ジェシーだけど、入っても大丈夫？」
どうしたんだろ？と思いながらドアを開ける。衣装から私服に着替えたジェシーくんが小さな鞄を手に立っていたから中へ招いた。さっきまでと違って今にも泣きそうな子どものような表情をするジェシーくんに困惑する。
「どうしたの？」
「また暫く会えなくなるのかって思ったら寂しくて」
「そんなこと？」
「だって！…だって俺はAちゃんと会いたいって思っても会える理由ないんだもん」
「ジェシーくん、」
「俺、やっぱりAちゃんが好き。俺にとっての運命の人はAちゃんしかいない」
「…私は運命なんて信じない。もう信じたくないの」
「信じないなら超えればいい。俺が絶対にAちゃんを幸せにする。だから俺の彼女になってください！」
「でも、私はまだ彼のことが…」
「Aちゃんの大切な人は俺も大事にしたい。だから俺はずっと２番でもいいよ？」
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作者名：いか | 作成日時：2023年9月23日 19時
