3 ページ3
「またダメだった」
「あはは、ドンマイ」
しょぼん、とするジェシーを慎太郎が慰めている。ここ半年くらいはすっかり見慣れた光景だ。最初こそ諦めろと言っていたけど、ここまでくると応援せざるを得ないと思ってしまう自分もいる。多分それは俺だけじゃないだろう。
「こーちー」
「今日は連絡先交換出来たの？」
「ううん。無理の一点張り」
はあ、と大きなため息。我関せず、みたいな樹はスマホゲームに夢中だし、大我は映画か舞台の台本とにらめっこ中。北斗も、って思ってたら読んでいた台本をテーブルの上に伏せた。
「もう諦めれば？」
「なんで！」
「Aさんは誰とも付き合わないって言ってたし、そもそも恋愛に興味ないって」
「でも、それは昔のことじゃん」
「昔って言っても１年前よ。最近じゃん」
「北斗が冷たい！こーちーぃ」
「はいはい。北斗もジェシーうるさくなるから程々にしろよ」
「うるさ…！？こーちのばか！」
北斗はAさんと前に共演した時に一緒に受けたインタビューで“恋愛には興味ない”と言ってたのを聞いたらしい。記事にはなってなかったけど、確かに彼女が発言したのだと。
「てかさ、北斗も前はいいなとか言ってたじゃん」
「は、ちょっ、樹！」
「あれ、これ言ったらまずかった？」
まさかの樹の急な爆弾発言にジェシーだけでなく俺も慎太郎も思わず目を見開いて驚く。
「いや、違う…くはないけど、本人がそういう考えなら好きになっても無駄じゃん？だから別に好きだったとかじゃなくて、こう、人間性ってのが良いなって思っただけ！」
「人間性、ねえ。まあ、わからなくもないけど」
「…そうかな？俺には若いのに人生諦めてます、みたいに見えるけど。他人には興味ありません、みたいな線引きどころか高くて分厚い壁作って拒絶してるというか」
「もう！大我はいつもAちゃんのこと悪く言う！良くないよ、そういうの！」
「別に俺が思ったままに言ってるだけだし」
一応俺含め４人はジェシーの恋を応援したい派(だと思っている)けど、大我だけは反対らしく最近はこうして意見を述べるようになった。
絶対反対！というよりはジェシーから興味を無くさせようとしているように感じるのは俺だけだろうか。
▽▽
順位がつきました！ありがとうございます！！
不定期更新となると思いますがよろしくお願いいたします。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 410人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：いか | 作成日時：2023年9月23日 19時
