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「ひ、ひと…！？」
「単純でしょ。優しくしてくれたAに一目惚れ。でもクラス違ったし名前も知らなかったし、校内で見掛けても話し掛ける勇気もなくて。だから今年同じクラスで隣の席になって運命かと思った」
「うん、めい？」
「そう。でも大我と仲良くなっちゃうし、大我も好きになっちゃってさ。俺が大我に敵うわけないって諦めようともした。実際に２人が付き合ったって聞いた時はこの世の終わりかと思ったもん」
「それは、ごめん。私が…」
「あ、別に謝ってほしいわけじゃないんだ。好かれる努力をしなかった俺が悪いんだし、結局諦めつかなくて今もこうしてAの時間もらってる」
「Aに好きって言われて嬉しくて嬉しくて仕方ないはずなのに…今までのこと思い出したらさ、なんか感傷に浸っちゃって。ばか正直にそのまま口に出しちゃってた」
「嬉しいとは思えないって、だから私、優吾くんに嫌われたのかなって」
「んなわけないじゃん。１年近く片思いして簡単に諦められると思う？まあ北斗に諦めんなってずっと言われてたのもあるけどさ」
「松村くんが？」
「北斗は知ってたんでしょ。Aの気持ちも、大我とのことも、俺よりも全部」
「あ、私いろいろと話してたかも。登校の時に相談にも乗ってもらった」
「大我の次は北斗かよ、って思って妬いたりもしたけどさ。でも、おかげで今があるって考えたら北斗にも大我にも感謝しないとかな」
「俺はAが好き。俺と付き合ってくれますか？」
「っ、はい」
「「「「こーちー！おめでとう！！」」」」
「いやー、めっちゃ遠回りしたね」
「ほんとよ。俺と北斗がどれだけフォローしたことか」
「え、樹はそんなでもなくない？」
「っていうか俺が居なきゃ高地は本気になってなかったんだし、俺に１番感謝すべきでしょ」
「まあ京本が引っかき回したと言えなくもないけどね」
「なに北斗、俺が悪いって言いたいわけ？」
「なんでみんな居るんだよ…」
「優吾も苦労してんね」
「そう思うなら佐伯もこいつら止めろよな」
「おめでとう、よかったね」
「あり、がとう」
「あーもう、俺のことそんな怖い？まあこれから長い付き合いになるだろうし、慣れてよ」
「慎太郎、またAに何か言ったの？」
「誤解！仲直りしただけだよ」
「まあ、良かったじゃん」
「大我くん、」
「高地に泣かされたらいつでも俺のとこ来ていいからね」
「え、まったりムードを楽しむ時間もないの！？」
「ドンマイ、優吾」
「お前らふざけんなよ！！」
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作者名：いか | 作成日時：2023年5月20日 19時
