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期末テストをなんとか乗り越え成績はまあまあ。大我くんと松村くんは学年でトップの方だと言うから凄い。優吾くんとも一応それなりに元通りギクシャクした感じは無くなってきて、例の夏祭りとやらに来たわけだけど……
「連絡したし待ち合わせ場所は決まってるから」
「あ、ハイ」
「あのさ、あからさまに怯えたようにするのやめてくんね？いくら俺でも置いてきぼりにしようとか思ってないから」
８人で回っていたはずがいつの間にか私と森本くんだけはぐれてしまって非常に気まずい空間。人の波に逆らうのもまたはぐれる原因になるから、と屋台の裏側を歩く彼に付いていく。
「ここ、昔からはぐれたらここねって決まってんの」
「そうなんだ」
神社の境内から離れた空間は人混みも無くてさっきまでの賑やかな声も少し遠く聞こえる。横並びに座って屋台で買った焼きそばを食べながらみんなを待った。
「きょもって完璧じゃん？頭良いし容姿も良いし、まあ運動はそこまで得意じゃないけど、人を傷つけるようなことはしないし言わないし」
「え…ああ、うん。そうだね」
「きょもはさ、小さい頃からそこら辺の女の子より可愛くて、でも男の子らしさもあって、めちゃくちゃモテてたんだよね」
「うん、」
「俺はきょもと昔から仲良くて、喧嘩もしたけど大好きで…だから白石さんがきょもと別れたって聞いて正直ムカついたんだ。大好きなきょもを傷つけて、って勝手に」
「松村くんに聞いたよ。２人は特段仲が良い兄弟みたいって」
「そっか。あの後きょもに怒られたんだよね“Aのこと傷つけんな”ってさ。自分だって辛いはずなのに白石さんのこと優先してて、きょもは本気だったのにってまた俺勝手に怒ってさ…今日も本当は来るつもりなかった」
森本くんが大我くんを大切に思っているからこそ私は悪者に見えるんだろう。それでもこうして私とみんなを待ってくれるのは彼が凄く優しいから。
「俺は、白石さんのこと好きじゃない。きょもも高地も、北斗や樹だって巻き込んで振り回して」
「そう、だよね」
「でも…でも、俺が白石さんの気持ちを勝手に高地に伝えたのはデリカシーに欠けてたと思う。だから、あの時はごめん」
「森本くん、」
「慎太郎！A！」
「あ、高地おせーよ」
「はあ！？お前が俺に、」
「じゃ、俺はさっき見つけた違うダチの所行くから」
「え？」
「お前ら俺がお膳立てしてやったんだからしっかり話し合えよ？じゃあね！」
「ちょ、慎太郎！？」
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作者名：いか | 作成日時：2023年5月20日 19時
