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「ほんとゴメン！」
「もういいって」
「だって、なんか俺のせいで高地とギクシャクしてるんじゃないかって思ったら、」
「樹落ち着いて。とりあえずご飯食べながら話せば？」
昼休みにお弁当を鞄から出して広げようとしたところに田中くんと松村くんが来て、お弁当を人質ならぬ物質に空き教室へと連れてこられた。
正直なところ、こんな状態で優吾くんと大我くんとお昼休みを過ごすのはしんどかったからちょっと助かった、なんて思ったり思わなかったり。
「で、今どんな感じ？」
「うーん、壁作られたかな。友達だから、って今朝も言われちゃった」
「そっか。その状態で告白してもどうなるか」
「そもそも白石さんは高地に告白する気はあるの？」
「あるんじゃねえの？そうじゃないときょもが何の為に別れたのかわかんねえじゃん」
ねえ、と田中くんに同意を求められているけど容易に頷くことは出来ない。
「告白は、正直考えてなかった。大我くんと別れたことは伝えようと思ったけど、でも、そこまでは…」
「でもさ慎太郎が言っちゃったから気持ちはバレてるわけじゃん？だったら告白しちゃえば？」
「いやいや高地の性格考えたら失敗するに決まってるって。現に信じてないから友達でしょ？って言い聞かせてる感じもするし」
この２人は前もそうだったけど、ちゃんと話を聞いてくれる。優吾くんの方の気持ちも考えてくれて…それに比べて私は……
「とりあえず気まずい感じ無くしたいなら俺らと一緒に祭りでも行く？終業式の日にあるからさ」
「いいじゃん！どうせジェシーも佐伯さん誘うだろうし、大勢の方が楽しいし」
「え、でも、」
「別に京本とは気まずい感じないんでしょ？だったら大丈夫だと思う」
「そうそう！高地が、って思うなら俺らと友達として楽しめばいいわけだし」
「…森本くんもいる、よね？」
「慎太郎？なんで、」
「あーほら、昨日慎太郎がちょっとキレちゃったから」
「そういうことか。慎太郎は気遣いの塊みたいな奴だし、京本とは兄弟みたいに昔から一緒だからね。京本に対しては樹よりも甘いっていうか誰よりも気にかけてるのかも」
「慎太郎も本当はわかってるから大丈夫だよ。きょもとも話しただろうし、白石ちゃんが心配することはないよ」
「そうだといいんだけど、」
◇◇◇◇
更新が滞ってしまってすみません。どうラストに持っていこうか、次のお話の構想を練ってたりしてたら日が空いてしまいました。あと数話で本当に終われるのだろうか……
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作者名：いか | 作成日時：2023年5月20日 19時
