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俺の心配はなんだったのか翌朝からはいつも通りな大我とA。あ、いつも通りと思いきや多少ギクシャクしてる気もしなくはない。けど昼休みはジェシーが指摘するくらいには仲良しで。
「え、大我帰るの？」
「家の用事。だから高地、Aのことよろしく」
「は？」
「じゃ！頼んだわ」
ちょっと独特な走り方でぱっと来てぱっと去っていって、当のAは日直だからと担任にかり出されて居ない。
「まあ、暇だしいっか」
樹に先に帰っててとメッセージを送れば“了解”とすぐに返信がきた。適当にスマホのゲームをしていれば教室には俺以外居なくて、しんとした空間がなんだかむず痒い。
「あれ？優吾くんどうしたの？」
「あー、大我が先に帰るって言ってたからAのこと頼まれた」
「そ、そっか。ごめんね、待っててくれてありがとう」
「暇だったしね」
そういやAと２人きりになるのは久しぶりな気がする。話すことは話すけど、空間的に２人きりなことに気が付いて妙な緊張。
「とりあえず帰ろうか」
「うん」
テスト勉強進んでる？とか今日の授業の話とか他愛ない話をしながら校舎を出る。
「「あ、高地」」
「樹と慎太郎、まだ居たんだ」
北斗は部活の日だっけ？ジェシーは多分佐伯を送ってるからジェシーが来るのを待ってるところか。そんなことを考えていると慎太郎の表情がだんだんと歪んでいく。
「ちょっとさ、それはないんじゃない？」
「は？なに怒ってんの？」
俺、ではなく慎太郎の視線はAを捉えている。はて、Aと慎太郎はそんなに交流もないはずだけど…
「樹から聞いたけどきょもと別れてすぐに高地とか都合良すぎない？」
「え、」
「きょもが優しさで言ったのはわかるけど、でもさ！きょもと付き合ったのにまだ好きなままだとか、別れたのにきょもと変わらず仲良く、とか調子のんなよって思うんだけど」
「ちょ、慎太郎ストップ」
「なに樹！俺なにか間違ってること言ってる！？」
「ごめん、白石ちゃん。慎太郎に話ちゃった」
「きょもの気持ち弄ぶようなことすんなよ！」
「慎太郎！」
樹が慎太郎を離そうと掴むが体格差的に無理でAに慎太郎が詰め寄る形になった。Aも萎縮しているようで俯いたまま何も言わない。
「え、Aと大我別れたの？なんで？」
「だから！白石さんがきょもと付き合っていながら、」
「慎太郎マジでお前黙れ」
「高地も好きとか言うからきょもが遠慮したんでしょ！」
「……は？」
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作者名：いか | 作成日時：2023年5月20日 19時
