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「こーちー！」
「今度はジェシーかよ」
優吾くんの席には休み時間になるとお客さんが来ることがある。今日は特に多い気がするのは月曜日だからだろうか。
「お昼一緒に食べていい？」
「なんで俺に聞くんだよ」
「カップルに囲まれたら高地寂しくないかなって」
「別に大丈夫だけど。なんなら俺北斗のとこ行くし」
「じゃあ北斗たちも呼ぼう！てか大我は？」
「あっちにいるよ、佐伯と話してる」
「なんだって！？」
サエと大我くんのもとに走って行ったジェシーくん。心配せずとも２人には何もないのに。
「ジェシーくんも嫉妬とかするんだね」
「Aはしないの？佐伯に対して」
「んー、全くないね」
「信頼してるんだ」
信頼か。それはもちろんだが、今の私は大我くんがどの女の子と話そうが嫉妬をするという間柄ではないのだ。
「優吾くん、」
「こーち！教科書返しに来た」
「あ、樹。ジェシーが昼みんなで食べよってさ」
「今日？わかった、北斗に言っておくけど、なんで？」
「わかんない。ジェシーがここで食べるって言ったから俺は北斗のとこ行こうかなって言ったらみんな呼べばって」
「ふーん？まあ慎太郎にはジェシーが声かけるだろうけど一応伝えておくわ。じゃ！」
「また後でなー。樹もジェシーも台風みたい。あ、さっき何か言いかけてたけど何だった？」
「あ、ううん、何でもない」
「そ？昼休み賑やかになりそうだな」
「そうだね」
サエと大我くんの間に入っていったジェシーくんに目線を移すと大我くんはそこに居なくて、にこやかにサエと話しているジェシーくんは楽しそう。
幸せそうな２人がすごく羨ましい。
「誰かわかんないけどここら辺の席借りるよー」
「なんでみんないるのさ」
「いいじゃん。大勢の方が飯は旨い」
「どうせジェシーが言い出しっぺでしょ」
「佐伯正解」
ジェシーくんと森本くんと田中くんは大勢で楽しいって感じで松村くんは周りに遠慮しつつって感じ。大我くんはどうするかなって思ってたけど普段と変わらず私の斜め前に座った。
「あ！北斗の玉子焼き食べたい」
「えー、俺も欲しい」
「樹はいつも食べてるじゃん。って、京本まで取るなよ」
「いいじゃん別に」
「お前らいつも俺のおかず取ってくのやめてよ」
「だって美味しいんだもん」
楽しそうなやり取りを見ながら大我くんを盗み見ると今日初めて目が合ったけれど一瞬で反らしてしまった。
前みたいにって意識すればするほど、どうしたらいいのかわからなくなるのは私だけ？
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作者名：いか | 作成日時：2023年5月20日 19時
