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「白石ちゃん大丈夫？」
「うん、もうすっかり」
「無理しなくていいからね？何かあったらきょもに言いな？」
「そう思うんだったら無理矢理連れ回すなよ」
「だって大勢居た方が楽しいじゃん！」
田中くんと松村くんはなんだかんだ良いコンビだよな、と思いながらサエも含めた８人でぞろぞろ歩く。向かう先は彼らがよく行くというカラオケ。体育祭の打ち上げに行こうと誘われたのだ。
保健室でゆっくり休ませてもらったおかげもあって体力は回復した。とは言っても直後に行くのは心配もあったから翌日に誘ってくれたのは彼らの優しさだろう。
「A車来てるから」
「あ、ありがとう」
白線の内側をちゃんと通っていたけど車が来たからと軽く腕を引かれて場所を変わってくれたのは優吾くん。
「なに高地いまの！めっちゃ格好いいじゃん」
「は？別に普通のことでしょ」
「いーや、今の優吾はマジでヤバい。あざといわ」
「あざとくねえよ」
「大我がもち焼いちゃうね」
ジェシーくんとサエが後ろからやいやい言ってると前にいた大我くんが首だけこちらに向けた。
「ん？ジェシー何か言った？」
「京本はもう少し周り見るべきだと思うな」
「なに北斗、俺に文句あるの？」
「文句じゃないけど…」
大我くんは森本くんと並んで前を歩いてたから自然と私の隣は優吾くんになったわけで、それ以上もそれ以下の理由はない。
「っていうかさ、なんで慎太郎がきょもの隣キープしてんの？そこは白石ちゃんだろ」
「へ！？俺じゃなくてきょもが隣に来たんだし」
「別に誰の隣歩こうが俺の勝手でしょ」
「ほら大我が不機嫌なっちゃったから慎太郎とA場所変わってあげてよ」
「えーもう、しょうがないなあ」
はい交代、と森本くんに言われて大我くんの隣を歩く。だからと言って大我くんのご機嫌が変わるなんてことはないと思うけど。
「あのさA、終わってからでいいから話できる？」
「え、うん。わかった」
「昨日話せなかったからさ」
昨日は念のためと先生が家に電話して迎えに来てもらったから大我くんと一緒に帰ることはなかった。だから話といえばあのことだとすぐにわかった。
「帰りは絶対別行動だから。北斗いいよね？」
「ジェシーたちも終わったらデートとか言ってたし、いいんじゃない？」
「きょもたちとジェシーたち、どっち尾行したら楽しいかな」
「樹、京本に嫌われるからやめな？」
「え！？きょもに嫌われるとか無理なんだけど！」
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作者名：いか | 作成日時：2023年5月20日 19時
