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「Aっ！」
突然叫ばれた声に振り返ればぐらりと体が傾くA、そしてさっきまで走ってたはずの高地が先ほどよりも速いんじゃないかってスピードで走って来ている姿。
俺が手を伸ばすよりも先に高地が地面にスライディングする形で抱き止め、周りからは歓声のような声が上がる。
「ゆ、優吾くん？」
「あぶねー、間に合って良かった」
「ごめん！腕と足に傷が、」
「俺は大丈夫だから。Aこそ大丈夫？」
「う、うん。ちょっと立ちくらみ、かな」
「お前ら大丈夫か!?」
「俺はちょっと擦りむいただけなんで」
「ったく、２人まとめて救護所行くぞ」
「白石さんは熱中症かもしれないから保健室の方がよろしいかと。念のためね」
「そうですね。白石は大丈夫か？歩けるか？」
「あ、はい。大丈夫です」
体育教師と保健の先生に連れられて校舎に向かう２人をぼーっと眺めるだけしか出来ない俺はなんなんだろう。
近くに居たのに異変にすら気付けなくて危うくAにケガをさせるところだった。
高地のおかげでそれは免れたけど、
でも、
だからこそやるせない気持ちが消えない。
「きょも？白石さん無事だったんだし、そんな気に病まないでよ」
「でも、俺…１番近くに居たのに」
「仕方ないよ、樹。大我はずーっと心ここにあらずだったんだから。そんなんで大切な人守れると思ってるの？」
「ちょっとジェシー！京本くんに言い過ぎだよ」
「いいよ佐伯、事実だから」
「きょも、」
「ほら、早く行かないとでしょ」
樹とジェシーと後から来た北斗と慎太郎に背を向けて歩く。もちろん閉会式中に２人が戻ってくることはなかった。
◇◇
短いですけど今回はここで。きっと前回の最後のセリフが高地さんだと気付かれていた方がほとんどかと思います。さあ、そろそろ高地さんに頑張っていただきましょうか。そうじゃないと話数が足りないかもとは言えない……
23.7.15 慎太郎さんお誕生日おめでとうございます！
音楽番組でもギラギラそしてキラキラしている姿を見ることが出来てとても良い1日でした。私のリア友が慎太郎さん推しなので素敵なお祝い画像を見せてもらいまして私まで心がほっこりしております。
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作者名：いか | 作成日時：2023年5月20日 19時
