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優吾くんの出番をサエと大我くんと一緒に応援して見事に１位になったのを見届けた後はしばし自由時間。と言っても競技は続いているけど。
「あ、優吾お疲れ！１位凄いじゃん」
「まあね。案外声聴こえるもんだな」
「ジェシーの声響いてたもんね」
「ああ…そうだね」
ジェシーくんはスタート位置に近い方に居たから私たちとは少し離れていたはずだけど、確かに彼と田中くんの声はうっすら聞こえた気がする。
違う競技が始まってクラスメートの応援をしたり、田中くんたちの応援をしたり、次はやっと私たちの出番。
「Aも佐伯も頑張ってね」
「粉まみれになるの期待してる」
「そんな期待しないでよ」
まったく、優吾くんは何を期待しているのか。サエと２人並んで話ながら集合場所に向かう。赤チームの応援席前を通りかかった時に“待って”と声が聞こえて立ち止まると森本くんとジェシーくん。
「これから白石さんも出番？頑張ってね」
「うん、ありがとう」
森本くん短距離１番だったね、凄いね、と話していた時にふと隣が気になった。
「俺めちゃくちゃ応援しちゃうから」
「優吾の時みたいに叫ばないでよ？」
「えー？応援の声がデカい方が勝てるのに」
「そんなことないよ」
「そう？あ！俺次の次の借り物出るから応援よろしくね」
「京本くんと違うレースだったらね」
「なんでよ。大我より俺でしょ？」
「ん？白石さん？どうかした？」
「いや、なんかサエとジェシーくんいつの間にか仲良くなってるな…って、ジェシーくんの左手」
「ん？」
「もしかして、それ、サエの？」
「これのこと？Yes！That's right！」
「本当に！？」
「あー、隠してたわけじゃないんだけど」
ごめんね、と謝るサエにジェシーくんが横から割ってくる。
「絶対嘘じゃん！俺が白石さんと大我とＷデート行きたいねって言ったの２週間も前よ？」
「こっちにも色々とあるの！」
「またそれ？色々ってなによ」
サエが言ってるのは多分だけど私と大我くんが付き合っているのはお試しだから、ってことだろう。そしてジェシーくんとのことを言わなかったのもきっと同じことが理由だろうな。
「っていうか２人とも行かなくて大丈夫そ？」
冷静な森本くんに言われて集合場所を見ればもうレース順に並んでいるようで慌てて走り出す。
「後でちゃんと教えてね」
「…Aもね」
◇◇
サエちゃんお相手赤といえばですぐわかったかもですね。いつかスピンオフ的なので書けたらいいな、なんて。
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作者名：いか | 作成日時：2023年5月20日 19時
