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言葉の意味を理解出来ないわけじゃない。なんで急に大我くんはそんなことを言ったのか、そう考えてしまったからか自分の言葉が遅れた。
「…ごめん。高地と楽しそうだったから意地悪しちゃった」
「大我くん、あの、」
「わかってるから、大丈夫。それより帰ろうよ」
本屋さん寄りたいんだよね、と話す大我くんはいつも通り変わらない。気を遣わせてしまったな、と申し訳なく思う。
まだ優吾くんを好きかといえば、多分少しずつ気持ちは薄れている気もしなくはない。ただ、ゼロになったかと問われたら自信はない。大我くんと一緒にいる時間は楽しくて幸せで、でも時に辛い。彼が悪いんじゃなくて周りを気にしすぎる私が悪い、そんなことわかっているのに臆病な私は何も出来ない。
「おーい、A？聞いてる？」
「ご、ごめん。ちょっとぼーっとしてて」
「もうすぐ体育祭だねって話。借り物競走ってどんなお題出るのかな？ハンカチとか眼鏡とか簡単なやつかな」
「去年は◯◯部の人とかあった気がする」
「そっか、人もあり得るのか」
「部活の先輩がそれきっかけで彼氏出来たって言ってた」
「じゃあ“恋人”とか“好きな人”って出るかも？」
「もしかしたらあるかもね」
「俺が引いたらAのとこに走って行くから」
「え、」
「え、じゃないよ。Aは俺の彼女でしょ？」
どき、ずきゅん、どの効果音が適切かはわからないけど確実に胸を撃ち抜かれた。大我くんはさらっと言ってしまうから心臓が何個あっても足りない。
「Aちゃーん？」
「はい！」
「またぼーっとしてんの？」
「いや…大我くんが」
「俺が？」
「俺の彼女とか言うから、」
「もしかして照れた？嬉しくなっちゃった？」
目も合わせられずに頷く。そっか、と大我くんは優しく笑う。
体育祭当日、奇しくもそれはお試し期間の最終日だ。
◇◇
私ごとですが、先日ついにFCに入りました！！コラボスニーカーも約８時間スマホとにらめっこして睡眠不足になりながらも予約出来ました。CDも予約と追加購入までしました。いやー、自分でもここまでハマるものかとビックリしております。
さてさて、忘れがちですがこのお話は黄色さんオチです。そう、黄色さんなんです。桃色さんじゃないんです。あと20数話で黄色さんにたどり着けるのか!?と自分でもわかりませんが続編に移行する前に完結させたいと思ってます。
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作者名：いか | 作成日時：2023年5月20日 19時
